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さぶ3 山本周五郎

【連載朗読】さぶ3 山本周五郎 読み手アリア

こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「さぶ3」(三の一~三の五)二人は二十三歳になった。初めて二人だけで綿文の襖の張替えに行き、五日目に下張りにかかっていた。がっしりした本間襖で、刷毛を持って向かい合うだけでも気持ちが引き締まり、いかにも仕事をするという快い昂奮が全身に感じられるようであった。しかし翌日、朝飯を済ませてでかける支度をしていると、親方の芳兵衛が来て栄二に「おまえはゆかなくていい」と云った。栄二にはその理由がわからず、見当もつかないので頭が混乱し、やけな気持ちで酒でも飲んでやろうと街を歩いた。

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さぶ3 主な登場人物

おすえ・・・綿文の中働き。十九歳になり、お嫁の話があるが、なかなかうんと云わない。

おその・・・綿文の中十九歳になるが、縁遠い生まれつきだという。「栄ちゃん、あたしのことお嫁に貰ってくれないかしら」と目じりで栄二を見つめながら云う。

おのぶ・・・堀江町の「すみよし」の女中。二十一歳。ぼんやり歩く栄二に声をかけ、店で酒を飲ませる。さぶの気持ちを栄二に伝えられるが、どうしても好きになれないという。

和助・・・香和堂の主人。綿文の旦那の高価な古金襴の切が一枚なくなり、それが栄二の道具箱から出てきたことを栄二に伝える。

 

さぶ3 覚え書き

反故紙(ほごがみ)・・・書きそこなうなどして不要になった紙。

鏝(こて)

水茶屋(みずちゃや)・・・江戸時代、道ばたや社寺の境内などで、茶を飲ませて休息させた店。茶店。

虫拳(むしけん)・・・拳遊びの一種。親指が蛙、人差し指が蛇、小指をナメクジに見立てて勝負する。蛙は蛇に、蛇はナメクジに、ナメクジは蛙に負ける。

 

 

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