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日本婦道記 春三たび 山本周五郎

【朗読】日本婦道記 春三たび 山本周五郎 読み手アリア

こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「日本婦道記」より「春三たび」です。この作品は昭和18年婦人倶楽部に掲載されました。十七歳で和地へ嫁して三十日に足らない伊緒は、ある日、夫の伝四郎に天草の征討軍に加わることを知らされる。伝四郎は、自分が討ち死をしたら、もしまだ身ごもっていなかったら離別して実家へ帰れと云った。伊緒はみめかたちの美しい生まれつきで、早くから縁談が起こったが、容貌で望まれるものは、やがて容貌で疎んじられると云って父の八郎右衛門は頭を振り続けた。父の勧めで嫁した和地家は貧しく、御恩田を耕して細々と暮らしていた。父は伊緒を栄達させようとはしなかった。安楽な生涯をとも望まなかった。まことの道に沿っておのれの力で積み上げてゆく人生を与えてくれようとしたのだ。乱を平定して将兵が凱旋しても伝四郎は帰ってこなかった。戦場から逃げたと噂が絶えなかった。兄や玄蕃が進めたが、伊緒は実家へは帰らず、和地家を守った。それから三年・・・

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日本婦道記 春三たび 主な登場人物

伊緒・・・伝四郎の妻。十七歳、みめかたちの美しい、まことの道を進む女。

伝四郎・・・戸田大垣藩の二十石徒士。天草征討軍に加わり行方不明となるが、戦場から逃げたと噂が立つ。

郁之助・・・伊緒よりひとつ年下の義弟。病弱で衰弱していく。

日本婦道記 春三たび 覚え書き

伊緒の父が遺してくれた「大空を 照りゆく月し 清ければ 雲隠せども 光なけくに」・・・大空を渡る月は、清らかに照るので、雲が隠してもその光は消えないのです。古今和歌集より

 

 

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