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大納言狐 山本周五郎

【朗読】大納言狐 山本周五郎 読み手アリア

こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「大納言狐」(昭和29年)です。(つゆのひぬま/新潮文庫)に掲載されています。こちらの作品は昭和5年に書かれた戯曲「大納言狐」より後に書かれています。(夜明けの辻/新潮文庫)戯曲「大納言狐」をより発展させたような面白い平安朝ものです。周五郎作品で平安朝ものといえば「もののけ」が浮かぶのですが、どちらもクスッと笑える作品です。「大納言狐」も風刺が効いてうまいなーと唸りました!しかし、ちょっと度外れな悪態が多く書かれており、朗読しながら閉口しました。(汗)悪口・悪態はできるだけサラッと抑揚をつけないように読んでおりますので大目にみてください。文中に※※※で書かれた部分にはピー音を作成して挿入しました。

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大納言狐 主な登場人物

私・・・京育ちで、出世のためなら心ならぬ恋までもする五位蔵人。利用価値のないものと付きあっている暇はない。打算で紀ノ友雄の出家を止めに向かうが、彼が金の鉱山持ちと知り、彼の友と名のって彼について行く。

紀ノ友雄・・・奥の国出身、父親が墾田を寄付した代償で大学寮へ入る。金の鉱山持ち。左少将の姫に恋して二年、やっと艶書を送るが・・・。

左少将の姫・・・紀ノ友雄が二年前から恋焦がれて、やっと艶書を送った姫。艶書を受け取った彼女のとった行動が・・・・。

ひじり・・・摂津の大峰山で奇特な修行によって、夜ごと草庵のほとりに奇跡をあらわす上人。

堀川の資兼・・・検非違使の別当。美食と酒のために肥満し、はちきれそうな顔の大きな鼻は赤く、口ひげは両端が垂れているので威厳はない。ひじりの徳をしたって出家する。

六郎次・・・若い猟師。

大納言狐 覚え書き

女御(にょうご)・・・後宮に入り、天皇の寝所に侍した行為の女官。

上臈(じょうろう)・・・地位・身分の高い人。

遣戸(やりど)・・・鴨居と敷居の溝に沿って開閉する引き戸の板戸。

艶書(えんぞ)・・・恋文。

官途(かんと)・・・官史の職。または地位。

権門(けんもん)・・・官位が高く権力、勢力のある家。また、その家の人。

閨閥(けいばつ)・・・妻の親類を中心に結ばれている勢力。

阿諛(あゆ)・・・顔色を見て、相手の気に入るようにふるまうこと。

大臣(おとど)

翻意(ほんい)・・・決意をひるがえすこと。

退嬰(たいえい)・・・しりごみして、ひきこもること。進んで新しいことに取り組もうとする意欲に欠けること。

興廃(こうはい)・・・盛んになること。すたれること。

顕現(けんげん)・・・はっきり姿を現すこと。はっきりした形で現れること。

行厨(こうちゅう)・・・弁当。

傀儡子(くぐつし)・・・人形使い。諸国を回った漂白芸人。

蒙昧(もうまい)・・・暗いこと。知識が不十分で道理に暗いこと。

精進潔斎(しょうじんけっさい)・・・肉食を絶ち、行いを慎んで身を清めること。

稀代(きたい)・・・世にもまれなこと。めったに見られないこと。

裂帛(れっぱく)・・・帛(きぬ)を引き裂く音。

落飾(らくしょく)・・・高貴な人が髪を剃り落として仏門に入ること。

劫罰(ごうばつ)・・・地獄の苦しみを味わわせる罰。

尊信(そんしん)・・・尊び信頼すること。

 

 

 

 

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