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蕗問答 山本周五郎 

【朗読】蕗問答 山本周五郎 読み手 アリア

こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「蕗問答」(昭和15年)です。この話に出てくる大きな蕗は、秋田に自生していたアキタブキで、葉柄が1m~2m、葉の直径は1.5mになる食用です。秋田藩主の佐竹義和のエピソードに、江戸でこの傘代わりにもなる蕗を自慢したところ、他の藩主から信じてもらえなかった。そこで藩主の名誉のために領民は山野を捜索して二本の巨大蕗を江戸に運び、藩主の名誉を回復したというのがあります。(wikipediaより引用)「蕗問答」は、このエピソードがもとになったのでしょうか。

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蕗問答 主な登場人物

寒森新九郎・・・年寄役筆頭。彼の物忘れはずばぬけたもので、忘れ寒森と云われるほど有名であった。

佐竹義敦・・・秋田藩主。悪戯で新九郎と浪江のなかだちをする。

浪江・・・二十六歳の醜女。「おこぜ」と呼ばれているが、健康な体と怜悧な頭を持ち、家政の打開を始める。

蕗問答 あらすじ

秋田の大きな蕗は、もっとも大きいもので茎の太さ二尺周り、全長一丈を越えるほどである。秋田藩主・義敦は、江戸城で諸侯の大名に国産の蕗の話を持ち出したが信じてもらえず、一座の諸侯にてんから笑殺されてしまう。そこで義敦は、「秋田蕗の最も大きなものを十本、葉つきのまま至急に取集めて送れ。」という墨付きの上意を早馬の使者を出す。その事情を聞いた年寄役筆頭の寒森新九郎は、「それは怪しからぬ。」と眼を剥き、江戸まで諫言に向かった。しかし途中まで来て新九郎は、諫言の仔細を忘れてしまったのである。

アリア
出てきた植物は「秋田蕗」でした。雨のシーンはなかったよ!

蕗問答 覚え書き

閑職(かんしょく)・・・仕事の暇な職務。重要でない職務。

顕要(けんよう)・・・地位は高くて重要なこと。また、そのさま。

明敏(めいびん)・・・頭の働きが鋭いこと。物事の要点や本質をすばやくさとること。

才気縦横(さいきじゅうおう)・・・才能にあふれていること。

圭角(けいかく)・・・性格や言動にかどがあって円満でないこと。

健忘(けんぼう)・・・よく物忘れすること。忘れっぽいこと。

笑殺(しょうさつ)・・・大いに笑わせること。また、あざ笑うこと。

折柄(おりから)・・・ちょうどその時。

諫言(かんげん)・・・目上の人の過失などを指摘して忠告すること。

逼迫(ひっぱく)・・・行き詰まって余裕のなくなること。

喫急(きっきゅう)・・・差し迫っていて重要なこと。

凡眼(ぼんがん)・・・凡人の目、平凡な眼識。

寸善尺魔(すんぜんしゃくま)・・・小さな善と大きな魔。世の中にはよいことはほんの少ししかなく、悪いことのほうがずっと多いこと

怜悧(れいり)・・・賢いこと。利口なこと。

不如意(ふにょい)・・・経済的に苦しいこと。また、そのさま。

 

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