【朗読】美少女一番乗り 山本周五郎 読み手アリア
こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「美少女一番乗り」(昭和13年/少女倶楽部増刊号)です。人里遠く離れた飛騨の山中、摩耶谷の奥に、建武の時代から連綿と伝わる郷士の一族が棲んでいた。伝説によると、後醍醐天皇の勅勘を蒙って流罪になった殿上人の裔で、北畠賀茂という家を中心に十八軒の家が全く世間とは交わりを絶って生活し、代々どんな領主にも貢ぎをせず、一族独立の面目を誇ってきた。
美少女一番乗り 主な登場人物
お弓・・・16歳。北畠賀茂の一人娘。殿上人の子孫にふさわしい教養と、郷士の娘として馬術、薙刀、太刀の修行に励む。五郎という熊を育てている。
五郎・・・小さいときお弓に拾われて育てられた大熊。
北畠賀茂・・・北畠十四代の賀茂老人。摩耶谷の一族を指導する非常に厳格な人。お弓の父。
苅谷兵馬・・・高山城の藩士。木曽方の城塞の備えを探りに行き、帰りに鹿追沢の砦の者に見つけられる。
村井伝之丞・・・摩耶谷の一族で力量も武術の腕も優れているが、平常から粗暴の質で「生涯こんな山奥に朽ちているより世間へ乗り出して一代の英雄になりたい。」と若者たちをそそのかす。
美少女一番乗り 覚え書き
白刃(はくじん)・・・鞘から抜いた刀。抜き身。
人跡(じんせき)・・・人の足跡、人の通った跡。
重傷(おもで)
昏倒(こんとう)・・・めまいがして倒れること。
連綿(れんめん)・・・長く続いて絶えないさま。
僻遠(へきえん)・・・ある地域や場所が中央から遠く離れていること。
時勢(じせい)・・・移り変わる時代の様子。
群雄(ぐんゆう)・・・多くの英雄。
割拠(かっきよ)・・・それぞれが自分の勢力を張ること。
勅勘(ちょっかん)・・・天皇から受ける咎め。
厳然(げんぜん)・・・いかめしくおごそかなさま。
岩窟(いわや)・・・岩の洞穴。
褥(しとね)・・・座るときや寝る時に下に敷くもの。
猿(ましら)
気息奄々(きそくえんえん)・・・意気が絶え絶えになって、今にも死にそうなさま。
奸賊(かんぞく)・・・こころのねじけた憎むべき悪者。
眦(まなじり)・・・めじり
寝鳥(ねとり)・・・ねている鳥。
拉いだ(ひしいだ)・・・勢いをくじく。
叫喚(きょうかん)・・・大声でわめきさけぶこと。