癒しの朗読屋へようこそ 主に朗読作品の解説を書いています

艶書 山本周五郎

【朗読】艶書 山本周五郎 読み手アリア

こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「艶書」(昭和29年/小説倶楽部)です。岸島出三郎は、部屋住みの三男で21歳、幼い頃からおとなしくのんびりした性分だった。隣り屋敷の新村の末娘七重とは幼なじみで、二人ともほとんど口をきかなくともお互いの気持ちがよくわかり、手まねや身ぶりや、簡単な目くばせなどで充分に用を便じる仲だった。その日は宝暦二年の三月二日で、出三郎は道場の師範から念流の折紙をもらったが入門したのも長兄の命令だったし剣術はあまり好きではないのでその日をもって退門してしまった。そしてその夜は新村家の宵節句に招かれた。雛祭りだから集まるのは女性ばかりだが、その日は九百五十石の老職の息子、笠井忠也も来ていた。彼は性格が派手で調子がよく、新柳町の花街でなかなかの遊び手と呼ばれていた。忠也の座持ちがいいので娘たちはすっかり興に乗って宴は盛り上がった。出三郎は兄に見つからないように先に帰った。部屋に入って脱いだ着物を畳んでいると、袂の中から一通の封じ文が出てきた。読んでみると恋文だった。

スポンサーリンク

艶書 主な登場人物

岸島出三郎・・・部屋住みの三男、ひやめし。幼い頃から地誌伝説の類に興味があり、毎日領内を歩き回っては資料を集めたりしていた。21歳の新村家の宵節句で恋文を袂に入れられるが誰からか分からない。

七重・・・出三郎の幼馴染。十七歳で笠井へ嫁してゆくが・・・

笠井忠也・・・九百五十石の老職の息子。社交上手で花街でもなかなかの遊び人と云われている。

貞高半兵衛・・・定高家の養子。藩政改革を十年前から行っている。

艶書 覚え書き

 

最新情報をチェックしよう!