【朗読】月の松山 山本周五郎 読み手アリア
こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「月の松山」です。この作品は、昭和29年キングに掲載されました。51歳の作品です。主人公の宗城孝也は、医者の花崗道円に不治の病と余命宣告を受けます。彼は死の恐怖に直面しながらも、自らの運命に立ち向かおうとします。生きる意味や人との絆を感じさせられた作品です。最後までどうぞお聴きください。
月の松山 主な登場人物
宗城孝也(むねきこうや)・・・茂庭道場の代師範。重い病に侵されながらもそれを隠し、自分の大切な人を護るために行動する。もともと浪人の子で江戸に育つが孤児となり、茂庭家に預けられる。
花崗道円(みかげどうえん)・・・孝也の主治医。彼に治癒が不可能な病気の診断を下し、余命宣告する。
西秋泰二郎・・・茂庭道場の古参の門人。孝也の態度の変化に悩む桂の相談に乗る。
茂庭掃部介信高(かもんのすけ)・・・茂庭家は古くから兵法をもって北条氏に仕え、代々掃部介を許されていた。農耕の傍ら鞍馬古流を教えている。今は寝たきりの病身。桂と孝也が一緒になることを望んでいる。
月の松山 あらすじ
宗城孝也は、医者の花崗道円から彼の病が治癒不可能で、最長でも一年、早ければ百日という厳しい余命宣告を受ける。その宣告に衝撃をうけ、茫然自失のまま医者の屋敷を後にする孝也。彼は自身の死を覚悟し、日々の生活の中で周囲に気づかれないように振る舞おうと努める。しかし身体的な変化や痛みによって次第に限界が訪れる。婚約者である桂への態度もそっけなく冷淡になり、理由の分からない桂は、ただ不安と悲しみを感じるようになるが、やがて西秋泰二郎に孝也のことを相談するようになる。門人であり友人の西秋泰二郎に今までにない厳しい指導と冷淡な態度で、孝也は周囲に不安を引き起こす。病状は進行し、道場での稽古もままならなくなった彼は・・
月の松山 アリアの感想と備忘録
熊の子に向かって「お前は逃げることができるんだぞ、しかし俺は確実に捉まってしまった、どんなことをしても断ち切ることのできない鎖に」という孝也が苦悶の衝動と叩く姿など、心情の変化や葛藤が丁寧に描かれていました。茂庭家に預けられてからずっと好きだった桂を遠ざけていく姿など、本当のことは最後まで打ち明けずいるなんてどんなに辛かったでしょうか。