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虚空遍歴2の3 山本周五郎 

【朗読】虚空遍歴2の3 山本周五郎 読み手アリア

こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は2の3、冲也が夢うつつの中で自分の心の葛藤や困難に直面している様子が描かれています。新しい浄瑠璃を作り上げる意欲を抱いていますが、周囲の人々からあまり理解されない苦しみや孤独感などに苛まれていく・・・

虚空遍歴2の3 主な登場人物

冲也・・・新しい浄瑠璃を作ることに情熱を注いでいるが、周囲の批判や意見の対立に苦しむ。

杉沢治作・・・冲也にとって嫌な存在。芝居の制作過程で意見の食い違いがあり、冲也を苛立たせる。

宮古平内・・・初めは冲也を持ち上げていたが、のちに批判的な態度を取る。

お夏・・・料亭「岡本」の女中。冲也が体調を崩した時に世話を焼いて様子をうかがう。

お京・・・冲也を支える女性。冲也を介抱し彼に安らぎと希望を与える。冲也の精神的支えとなる人物。

そのほかに座元、松島屋、大和屋、立花屋など。

虚空遍歴2の3 あらすじ

冲也は夢と現実の狭間で自分の心と戦っていた。芝居の新作に情熱を注ぐ彼は、周囲の批判や意見の食い違いに悩み、孤独と不安に苛まれます。飲めない酒をあおり、体調を崩した冲也の心は、苦しみと後悔でいっぱいになるのでした。しかし目覚めた時、彼の周りには料亭岡本のお夏、そして支えてくれるお京がそばりおり、彼に安らぎと希望を与えます。お京の言葉によって芝居が順調に進んでいることを知って、冲也は再び自信を取り戻します。

虚空遍歴2の3 アリアの感想と備忘録

この章は、冲也の心の葛藤と再生の物語でした。真っ直ぐに浄瑠璃に打ち込みながら周囲の批判と意見の対立に苦しむ姿、すぐに酒に逃げ、自分の思いが理解されないことに絶望するところは、彼の心の弱さと同時に、ものを作る芸人の本質的な孤独を感じさせました。しかし目覚めた時に与えられたお京の優しさと支えで彼は再び自信を取り戻し、自分の夢に向かって進む勇気を得ます。この瞬間が彼の再生を象徴していたと思います。そして彼がどんなに苦しんでも、支えてくれる人の存在が希望の光になるのですね。どんな困難にも負けずに自分の信念を貫く大切さを感じた章でした。

 

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