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五瓣の椿 連載第1回 山本周五郎

【朗読】五瓣の椿 序章と1の1 山本周五郎 読み手アリア

こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「五瓣の椿」です。この作品は昭和34年講談倶楽部に連載されました。56歳の作品です。何度も舞台化、映画化された人気の名作です。天保五年の冬、奇人として知られた中村仏庵が病死し、その直後、不思議な事件が白河端で起こる。仏庵の近隣にあった「むさし屋」の寮が火事で消失し、焼け跡から三人の焼死体が見つかった。男女の区別もつかないほどの焼死体はおそらく、むさし屋の主人、喜兵衛と妻おその、そして娘のおしのだろうということになった。

五瓣の椿 序章と1の1 主な登場人物

中村仏庵・・・84歳で他界した奇人。大工と畳職の棟梁であり、書を好み「雲介舎弥太夫」と号していた。あまり世間から好かれてはいず、死後の四日目に近隣で火事が起こる。

喜兵衛・・・45歳。むさし屋の主人。3年前に労咳で倒れ、娘おしのと暮らし、妻おそのとは別居していた。娘おしのをとても大切に思っている。

おその・・・喜兵衛の妻。彼が倒れてからは、看病を娘のおしのに任せっきりで、自分はむさし屋の寮で勝手気ままに暮らしていた。

おしの・・・18歳。喜兵衛とおそのの娘で、美しくおっとりとした性格で、父の看病を献身的にしている。

おまさ・・・むさし屋の寮の女中。家事当日、弟の家へ帰っていたため難を逃れる。

五助・・・むさし屋の寮の下男、普段は通いで仕事をしているため難を逃れる。

嘉助・・・むさし屋の番頭。37歳で、妻子持ちの通い勤めの番頭。喜兵衛の体調を気遣い、おしのに報告する。

忠三・・・21歳のむさし屋の手代。店を分けて独立する予定の若手。

徳次郎・・・23歳のむさし屋の手代。忠三同様、暖簾分けを控えている。

むさし屋・・・日本橋本石町三丁目の薬種屋で、隣に油屋も兼業している。老舗としても資産家としても、市中に広くその名を知られていた。

五瓣の椿 備忘録など

帳合(ちょうあい)・・・帳簿に現金や商品の出入りをつけること。。

第1回ですが、おしのの静かな献身的な父の看病をする姿と、父も厳格ながら娘を深く愛しているのが伝わってきました。また母のおそのは夫の看病から距離を置き、自分勝手に別居生活をしています。おしのの純粋で優しい心が強調される一方、下女おまさがおそのの死を天罰と冷たく言い放つ言葉がここまでの話に影を落としました。

 

 

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