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正雪記まとめ3 山本周五郎

【朗読】正雪記まとめ3 山本周五郎 読み手アリア

正雪記まとめ3 あらすじ

福島の宿で、与四郎、味平兵庫、勾坂喜兵衛の三人は語り合う。兵庫は幕府のキリシタン弾圧が徳川の滅亡を招くと主張し、「奇跡や超自然の力は人の理性を酔わせる」と語る。その言葉は与四郎の心に強く残った。その後、紀州藩の実力者・安藤帯刀の死を知り、与四郎は「自分はまだ生きている」と実感する。

三人は松代の勾坂家に向かい、与四郎は喜兵衛の妹・小松と出会う。彼女は魅力的だが、兵庫は「妖婦の相がある」と警告する。小松に誘われた与四郎は、「紫金洞」と呼ばれる洞窟へ入る。そこはかつて異国の血を引く下僕・小藤次が、叶わぬ恋の末に幽閉されて岩に溶け込んだとされる場所だった。小松はここで与四郎を誘惑するが、彼は拒み、洞窟を抜け出す。

しかし与四郎は、迷い込んだ洞窟の中で幻覚を見る。美しい花園、浄らかな川、そして手招きする少女・・・それは死への誘いなのか。意識を失った彼を助けたのは山の猟師・勘次だった。勘次は紫金洞について何か知っている様子を見せる。与四郎は、洞窟の秘密を探るため、再び紫金洞への道を探し始めるのだった。

正雪記まとめ3 主な登場人物

🔸与四郎(由井正雪)・・・主人公。聡明で理性的な若者。兵庫の言葉に影響を受け、幕府の行末や、「奇跡、超自然の力」の意味について考えを深める。松代の勾坂家に滞在中、勾坂喜兵衛の妹・小松に誘惑されるが拒み、紫金洞の謎に惹かれていく。

🔸味平兵庫・・・諸国を巡る剣客。隻眼で豪胆で毒舌だが、与四郎には敬意を示す。幕府の転覆を信じ、鋭い洞察力を持つ。喜兵衛の剣術の師となる。

勾坂喜兵衛・・・松代家の旧家・勾坂喜兵衛の若当主。体が大きく素朴な性質。兵庫に剣術の指南を乞い、与四郎を自宅に招く。

🔸小松・・・喜兵衛の妹。美しく妖艶な娘で、与四郎を誘惑す流。紫金洞の伝説を語り洞窟へ誘う。兵庫は彼女を「妖婦」と警戒する。

🔸勘次・・・山に暮らす猟師。怪我で倒れている与四郎を助けるが何かを隠している様子。紫金洞について詳しい知識を持つが、真相を語ろうとはしない。

🔸安藤帯刀・・・紀州藩の家老。徳川家康の信頼を受けた人物で、頼宣を厳しく監視していた。与四郎と因縁があるがすでに死去している。

🔸石川主税助・・・与四郎の師。病に伏せており、娘のはんと暮らしている。

🔸はん・・・主税助の娘。与四郎を想い続けている。心優しく、逃亡中のキリシタン母娘を匿う。

🔸とく・・・平戸出身の女、キリシタンで、娘・鼎と共に幕府の弾圧から逃れる。

🔸かなえ・・・とくの娘。異国の血を引く美少女。信仰心が厚く、「マリア様・・」と祈る。

🔸小藤次・・・昔、勾坂家に仕えた異国の血を引く下僕。千鳥という女性を慕い、紫金洞に幽閉され、ついには岩に溶け込んだと伝えられている。

 

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