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立春なみだ橋 山本周五郎

【朗読】立春なみだ橋 山本周五郎 読み手アリア

こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「立春なみだ橋」です。(昭和15年)仕事を抛りだして博奕場へ出入りする大工の新吉は、ある日、博奕場で岡っ引き島屋仁右衛門に捕らえられます。幼い頃から新吉をよく知る島屋仁右衛門は、新吉を諭し、今度だけは見逃す代わりに、目の不自由な老女の家でした息子の身代わりになるよう条件を出します。老女の息子となり、足を洗って素っ堅気の職人に戻った新吉と、そんな彼の世話をしながら彼を見守る島屋仁右衛門の娘お仲。(生きている源八/新潮文庫)

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立春なみだ橋 主な登場人物

新吉・・・腕は大工仲間で何人と指を折られるくらいの大工。仕事を抛りだして博奕場へ出入りする。

新吉のおふくろ・・・27歳の時、夫に死なれて死ぬまで後家を通して新吉を育てた。新吉を心配し島屋仁右衛門に相談していた。三年前に死んだ。

お仲・・・島屋仁右衛門の娘。十八歳、下ぶくれの愛くるしい顔立ちで、上目使いに人を見る目がなんとも云えぬ色気を持っている。

島屋仁右衛門・・・五十一歳、岡っ引きではあるが人気のいい男。世間の評判も、敵同志の悪る仲間にも好かれていて、彼が捕り親になった捕物に血をみた例がないとまで云われていた。

お兼・・・息子が十三の年にぐれて家出し、十二年音沙汰がない。亭主も死んで、息子を探しながら諸国を回ったが、いつか目を泣き潰して江戸へかえってきた。

辰次・・・「無手の辰」という、二十五六だが喧嘩兇状で何度も牢入りしている。瘦せ型の青白い顔にきゅっと唇をへし曲げた凄みのある若者。

伝五郎・・・向こう傷のある色の浅黒い男。一目で堅気者でないと分かる遊び人。

佐助・・・なりの小さい顎の尖った貧相な男。一目で堅気者でないと分かる遊び人。

立春なみだ橋 覚え書き

開帳(かいちょう)・・・賭博の座を開くこと。

危急(ききゅう)・・・危険・災難がさし迫っていること。

めくらめっぽう・・・少しも見当がつかないで、でたらめに事をすること。また、そのさま。

目端のきく(めはしのきく)・・・機転がきく。その場、その場に応じて、よく才知が働く。

栄耀(えいよう)・・・大いに栄えて、はぶりのよいこと。

小やみ・・・雨や雪などがしばらくの間降りやむこと。

二上がり(にあがり)・・・三味線の調弦法のひとつ。

音締め(ねじめ)・・・三味線・琴などの弦を締めて、恩寵を整えること。

嫋嫋(じょうじょう)・・・長くしなやかなさま。

真人間(まにんげん)・・・まじめで正しい生き方をしている人間。

仲人(ちゅうにん)・・・争いなどの仲裁をする人。仲裁人。

気随気儘(きずいきまま)・・・勝手きままにふるまうこと。また、そのさま。

娘師(むすめし)・・・土蔵やぶり。白くぬってあることから盗賊の隠語で土蔵のこと。

 

 

 

 

 

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