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雨あがる 山本周五郎

【朗読】雨あがる 山本周五郎 読み手アリア

こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「雨あがる」です。(昭和26年)(おごそかな渇き/新潮文庫)周五郎作品の中でも特に人気のある作品で、何度も舞台・ドラマ・映画化されています。「雨あがる」は、主人公の浪人者・三沢伊兵衛と妻おたよの人柄がとても魅力的です。降り続くなが雨に、食う物にさえ事欠いた安宿の貧しい人たちが、よくある諍いを起こしていた。その様子を見て伊兵衛は「自分が何とかする」と云い、すぐにいそいそと元気な足取りで城下町の方へ歩いていきます。四時間のちに戻った彼は酔っていたが、彼の後ろから米屋が米俵を、八百屋は一と籠の野菜を、魚屋は盤台二つに魚を、酒屋は五升入りの酒樽に味噌醤油を、そして菓子屋のあとから大量の薪と墨などを五六人の若者や小僧たちが運んできます。同宿者たちは活気で揺れあがり、そしてにぎやかな酒宴が始まります。

かん太
鏡研ぎの武平が「こんな事が年に一遍、いや三年に一遍でもいい、こういう楽しみがあるとわかっていたら、たいてえな苦労はがまんしていけるんだがなあ」とつくづくと溜息をつくんだ。
アリア
妻おたよと「賭け試合はもう決してしない」と約束していたにもかかわらず、伊兵衛は、みんなをほっておけないし、雨は止まないし、じっとしておけなくて賭け試合をするんだ。
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雨あがる 主な登場人物

三沢伊兵衛・・・幼い頃ひどく躰が弱く、弱気な性質で、引っ込み思案の泣いてばかりいる子だった。禅寺へ預けられ、そこの住職にたいそう愛されて、十四五になるとすっかり変わって、体も健康に、気質も明るく積極的になった。学問も武芸も類のないところまで上達したにもかかわらず、彼はそのために主家を浪人しなければならなかった。

おたよ・・・伊兵衛の妻。九百五十石の準老職の家に生まれ、豊かにのびのびと育った。それが伊兵衛との放浪の旅の苦労で、体も弱り、すっかり窶れてしまった。

玄和・・・禅寺の住職。幼い伊兵衛を預かり愛す師匠。石中に火あり、打たずんば出でず、が口癖で、伊兵衛はこの言葉を守り本尊のようにしていた。そしてたいていの場合、打開の途がついた。

青山主膳・・・永井家の老職。伊兵衛の武芸の腕と高邁なる御志操を見込む。

雨あがる 覚え書き

こぬか雨・・・雨滴が霧のように細かい雨。

毒口(どくぐち)・・・にくまれ口、あくたれぐち。毒舌。

敵愾心(てきがいしん)・・・敵に対して抱く憤りや、争おうとする意気込み。

辛辣(しんらつ)・・・云うことや、他に与える批評の、きわめて手厳しいさま。

柔和(にゅうわ)・・・性質や態度が、ものやわらかであること。また、そのさま。

劈く(つんざく)・・・勢いよく突き破る。つよく引き破る。

喪家(そうか)・・・不幸のあった家。喪中の家。

誓文(せいもん)・・・神に懸けて誓う言葉。また、それを記した文書。

懇願(こんがん)・・・ねんごろに願うこと。ひたすらお願いすること。

中風(ちゅうふう・ちゅうぶう)・・・脳卒中の発作の後遺症として主に半身不随となる状態。

口腹(こうふく)・・・飲み食い、また食欲。

守り本尊(まもりほんぞん)・・・身の守りとして信仰する仏。また、その仏像。

適要(てきよう)・・・重要な箇所抜き書きすること。また、その抜き書きしたもの。

無類(むるい)・・・たぐいがないこと。比べるものがないほど優れていること。

珍奇(ちんき)・・・珍しくて風変わりなこと。

熟慮(じゅくりょ)・・・よくよく考えること。色々なことを考えに入れて、念入りに検討すること。

時節(じせつ)・・・何かをするのによい時期、機会。

落魄(らくはく)・・・衰えて惨めになること。落ちぶれること。

けんのん・・・危険な感じがするさま。また、不安を覚えるさま。

同道(どうどう)・・・連れたって行くこと。連れていくこと。

謙譲(けんじょう)・・・へりくだりゆずること。自分を低めることにより、相手を高めること。

粗忽(そこつ)・・・失礼なこと。また、そのさま。

惘然(もうぜん)・・・呆然と同じ。あっけにとられているさま。

何誰(どなた)

多弁(たべん)・・・よくしゃべること。言葉数の多いこと。

悍馬(かんば)・・・気が荒く、制御しにくい馬。暴れ馬。

鳥目(ちょうもく)・・・銭の異称。金銭の異称。

辟易(へきえき)・・・ひどく迷惑してうんざりすること。

 

 

 

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