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あだこ

あだこ 山本周五郎

あだこ 山本周五郎 読み手 アリア

こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は山本周五郎作「あだこ」です。この作品は昭和33年作者が55歳の時に書かれました。人気作品で何度もドラマ化・舞台化されています。あだこは名前ではなく津軽で子守りとか下女のことをいうそうです。許嫁者に男と出奔され自暴自棄に病んでいる半三郎の屋敷へ、同じくどこにも行き場のないあだこが突然やってきて、半三郎の屋敷へ置いてくれと云います。

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あだこ 主な登場人物

あだこ(いそ)・・・わけがあって津軽を飛び出し、江戸で一年ばかり五か所で奉公するが、五か所ともいやなこと(セクハラ)をされ飛び出     す。行くところがなくなり、奉公人が誰もいない主人半三郎がひとりきりの小林の屋敷へ自ら雇われにいく。

小林半三郎・・・許嫁者が男と出奔してから出仕もせず、酒を飲んだり遊び歩いたりするばかりで家扶も家士も下男小者も出ていき、借財も嵩むだけ嵩み友人たちも匙を投げたところへ「あだこ」がやってくる。

曾我十兵衛・・・二百五十石の使番、半三郎の友人。

金森みすず・・・半三郎の許嫁者。別の男と出奔した。

あだこのあらすじ(※ネタバレ含みます)

小林半三郎は、許嫁者みすずが男と出奔して以来、自暴自棄な生活を送り、六日も食事をせずに餓死するつもりでいた。そこへ見知らぬ女がやってきて、庭を片付け、食い物の都合をつけ食事の支度をし、自分には行くところがない、どんなことでもするから屋敷に置いてほしいと云った。それが「あだこ」だった。半三郎は、いたいならいてもいいが、自分は何もしてやれないと云った。あだこはよく働き、半三郎の世話もよくした。彼が退屈していると繕い物などを持ってそばに来て針を動かしながら妙な訛りで話をする。半三郎は、あだこが津軽出身だと知って、あだこは、曾我十兵衛が津軽に国目付として行った、そのとき伴れてここへ入りこませた者だなと思った。

かん太
半三郎は、金も曾我十兵衛があだこに預けて米屋酒屋に支払っているに相違ないと思うんだ。借が相当溜まっているのに商人たちが貸す道理はない。
アリア
それから段々本当のことがわかっていくんだけれど、半三郎の周囲にいる人たちがやさしく、温かで、読んでいて幸せな気持ちになります。アリアも「あだこ」が好きです。

あだこ 覚え書き

小普請(こぶしん)・・・幕府直参の旗本・御家人のうち、家禄3000石以下で無役の者がこれに属す。

書院番(しょいんばん)・・・若年寄に属し、江戸城の警護、将軍外出時の護衛などの任にあたった。馬廻衆(親衛隊)として高い格式を持ち、同様の小姓組と共に両番と称された。書院番の番士には幕府内での出世の道が開かれていた。(Wikipediaより引用

塵芥(ちりあくた)・・・ごみ、くず、かす。

斟酌(しんしゃく)・・・相手の事情や心情をくみとること。また、くみとって手加減すること。

不徳義(ふとくぎ)・・・徳義に背くこと。また、そのさま。

眩惑(げんわく)・・・目がくらんで正しい判断ができなくなること。また、目をくらまして、まどわすこと。

あずましい・・・東北弁で居心地がいい、落ち着く。

ごっぺがえした・・・大失敗をする。

桟俵(さんだわら)・・・米俵の両端に当てる円いわらのふた。

叺(かます)・・・わらむしろを二つ折りにし、縁を縫いとじた袋。

糺した(ただした)・・・事の是非、真偽、事実や真相などを追及すること。

 

 

 

あだこ
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