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四人ばやし 山本周五郎

【朗読】四人ばやし 山本周五郎 読み手アリア

こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「四人ばやし」(昭和27年)です。料理茶屋の二階で起こる出来事を描いた一場面ものです。正太郎の最初の印象と最後がガラリと変わって面白いです。

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四人ばやし 主な登場人物

正太郎・・・金物問屋「伊賀屋」の長男。幼い頃から手に負えないと云われ続けている。

おたみ・・・正太郎の妻。結婚生活がうまくいかないことを悩んで平吉に相談する。

平吉・・・太物問屋「堺屋」の手代。幼い頃から我慢強く、親や近所の人の期待する通りに育つ。

おつま・・・水茶屋「梅むら」のおんな。初めて逢った時から正太郎が好きだった。

四人ばやし あらすじ(※ネタバレを含みます)

料理茶屋の二階で正太郎は、平吉から十両の金を強請り取ろうとしていた。小屏風の内側には女がひとり倒れていた。手足を縛られ、猿轡を噛まされ、軀を曲げて横ざまに倒れていた。解けた帯の端が畳の上に延び、髪が無残に崩れていた。そんな姿を見られるのがいやなのだろう。女は身を縮め、顔をそむけた。正太郎は、妻おたみに平吉が二度も文をつけたとき、これっきりという約束をした。しかし平吉は、またしても妻おたみに文をつけたのであった。正太郎は、平吉と妻おたみの仲を疑っていた。正太郎と平吉は幼なじみであった。正太郎は金物問屋「伊賀屋」の長男で、腕白で我が強くて、始終みんなから悪く云われていた。手に負えないと云われていた。平吉は、「伊賀屋」の裏の長屋で、父親は俗にこね屋という下っ端の仕事をし、生活はむろん貧しかった。平吉は温和しい子で頭もよく、小泉町の寺子屋でも成績の一番良い子だった。太物問屋「堺屋」十一の年から奉公にいき、今では立派な手代となっていた。平吉とおたみは小泉町の寺子屋時代からのつきあいであった。

四人ばやし 覚え書き

安普請(やすぶしん)・・・安い費用で家を建てること。また、そういう粗雑なつくりの家。

紙本(しほん)・・・紙に書いた書画・文書。

残忍(ざんにん)・・・無慈悲なことを平気ですること。

ひらぐけ・・・ひもや帯に芯を入れず、平らに仕上がるようにくけること。また、そのひもや帯。

結び文(むすびぶみ)・・・細く巻畳んで、端または中ほどを折り結んだ書状。恋文や儀礼に用いられた。

掛け取り(かけとり)・・・掛け売りの代金を取り立てること。

仮借(かしゃ・かしゃく)・・・大目にみてやり、まあまあと許すこと。

急調子(きゅうちょうし)・・・調子や物事の進み方が非常に速いこと。急テンポ。

婀娜(あだ)・・・女性の容姿や身のこなしが、なまめかしく、美しい。

おぼっこい・・・小さい子や精神年齢が低い人に対して使う幼いというような意味。

溜飲(りゅういん)・・・飲食物が胃に滞って、酸性の胃液がのどに上がってくること。

仰反る(のけぞる)

 

 

 

 

 

 

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