【朗読】凌霄花 山本周五郎 読み手アリア
こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「凌霄花」(昭和28年)です。ノウゼンカズラは夏から秋にかけ橙色あるいはあ赤色の大きな美しい花を付けます。中国原産で平安時代には日本に渡来していたようです。昔から毒があるといわれていますが迷信とのことです。(Wikipediaより)この作品は、凌霄花の下で「お互いに結婚しても、この花が咲くころにこなったら、一年に一度でいいから二人で逢いましょうね。」と約束する幼なじみ二人の甘酸っぱい話です。
凌霄花 主な登場人物
滝口高之助・・・代々千八百石の城代家老のひとり息子。「勤倹な滝口殿」といわれるつましい家風に育つ。
ひさ江・・・城下町で一番大きい呉服太物商で藩の金御用を勤める津の国屋のひとり娘。わがままいっぱいに育てられ、おてんばで負け嫌い。
五十嵐登美・・・五百石の番頭の三女。明るくおきゃんな性質でみんなに好かれている。高之助の従兄妹。
近田数馬・・・二十三歳。七十石の櫓番。一刀流の刀法では彰志館の三俊に数えられ、高之助とほぼ同じ時期に槍に転向する。
凌霄花 あらすじ(※ネタバレを含みます)
高之助とひさ江は幼なじみだった。高之助は勤倹な城代家老の一人息子。ひさ江は津の国屋という城下町で一番大きい呉服太物商で、藩の金御用を勤めていた。高之助は七歳のとき母に連れられて津の国屋に行き、母が奥座敷で好みの衣類などを選ぶあいだ、ひさ江と庭に出て一緒に遊んだ。ひさ江は富豪の家のひとり娘で、わがままいっぱいに育てられたうえに、おてんばで、負け嫌いで、いつも高之助のほうがいつも圧倒されていた。ひさ江はろうじぇんかじや(凌霄花)が大好きだった。高之助が十三になった年に母のその女が亡くなったので津の国屋へいく機会も絶えた。高之助が十七歳の春、従兄妹の登美のことづてでひさ江と初めて天神山の女坂の登りぐちで逢った。その季節には気付かなかったが、そこには凌霄花がたくさん蔓を伸ばしていた。高之助とひさ江は愛し合っているにもかかわらず、城代家老と商人という身分の差と、どちらも跡継ぎの一人っ子だから結婚の望みはまったくなかった。
凌霄花 覚え書き
古代切(こだいぎれ)・・・古代の織物の切れ端。正倉院に残るものから、宋、元、明渡来の名物切などまでをいう。
仕舞(しまい)・・・能・芝居・舞踊などで舞ったり、演技したりすること。
切り口上(きりこうじょう)・・・形式的で無愛想な云い方。
勤倹(きんけん)・・・勤勉で倹約なこと。仕事に励み、無駄な出費を少なくすること。
分限者(ぶげんしゃ)・・・金持ち・財産家
気組み(きぐみ)・・・物事に取り組む心構え。意気込み。
些末(さまつ)・・・重要でない、小さなことであるさま。
双手(もろて)・・・両手。