【朗読】千本仕合 山本周五郎 読み手アリア
こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「千本仕合」(昭和16年)です。。正月中ごろに松坂城下に現れた草刈馬之助は、領内で千番仕合をして武道修行をしたいという。むろん断る筋はないので許したのだが、その若者ひどく強い。松坂城下で腕利きと呼ばれたものを三人、名あるものだけでも二十余人を破り、他にも三十番に余る徒士勝負を取っている。(ならぬ堪忍/新潮文庫)
千本仕合 主な登場人物
和泉三郎兵衛・・・紀伊ノ国田辺城の武士。天心独名流、柳生流を修行した剣法では家中若手の中で屈指の名をとる。
お志保・・・三郎兵衛の妹。十八歳、田辺領きっての才女の誉れ高い娘。容色も群を抜いて美しく、琴の名手、歌を詠み詩をつくる。小太刀と薙刀にも男勝りの腕を持つ。
草刈馬之助(成瀬格之進)・・・見たところ二十七八と思える、色の浅黒い美丈夫。領内で千番仕合を願い出て次々と剣の達人を破る。
紀州の太守頼宣・・・武を愛する。有名な兵法家が家中に集まる。
金之助・・・お志保の従兄妹。お志保を愛している。
千本仕合 覚え書き
緋桃(ひもも)・・・花が濃紅色の桃。
憤激(ふんげき)・・・はげしくいきどおること。ひどく怒ること。
美丈夫(びじょうぶ)・・・美しく立派な男子。
夜半(よわ)・・・夜中。
筆勢(ひっせい)・・・書画に表れた筆の勢い。また文章の勢い。筆力。
慇懃(いんぎん)・・・真心がこもっていて、礼儀正しいこと。また、そのさま。
真剣(しんけん)・・・本物の刀剣。
自負(じふ)・・・自分の才能・知識・業績などに自信と誇りを持つこと。
右手(めて)
厘毛(りんもう)・・・厘と毛。転じて、きわめてわずかなこと。
遅速(ちそく)・・・遅いことと速いこと。遅いか速いかの度合い。
後詰(ごづめ)・・・先陣の後方に待機している軍勢。
甲斐甲斐しい(かいがいしい)・・・動作などがいかにも手ぎわよく、きびきびしているさま。
名聞(みょうもん)・・・名声が世間に広まること。世間での評判・名声。