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燕(つばくろ) 山本周五郎 

燕(つばくろ) 山本周五郎 読み手 アリア

こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は山本周五郎作「燕」です。周五郎作品にもう一つ「つばくろ」(昭和25年)と平仮名のタイトルがありますが別の作品です。燕は昭和35年に雑誌に掲載されTVドラマで放映されました。話は、若い者と娘たちが、一年に一度だけ半ば公然と席を並べる茸狩りの日に、皆が集まる佐藤家の庭で起こる出来事を今、茸狩りを楽しむ「若い人たち」と、若い頃に茸狩りを楽しんだ「老臣たち」に分けて書かれています。読みながら、まるで映画をみているような気持ちにさせられました。

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燕(つばくろ)主な登場人物

≪老臣たち≫

佐藤又左衛門・・・藩史に残る歴代に比べる者のない名家老といわれてた。庄野が江戸家老を辞したのを機会に、旧友を夕餉に招待している。

梶本源次郎(枯泉)・・・土佐派の人気絵師。義歯を入れている。強情な性格。茸狩りなどの音頭取り。

庄野重太夫・・・元江戸家老。肝臓を病んでいて、夏風邪がなかなか治らない。奥歯がなく硬いものは食べられない。

渡貫義兵衛・・・元交代寄合の元締まり。女房が死んだらすぐさま若い側女を置くつもり。

新原宗兵衛・・・この日の朝、吐血して亡くなる。若い頃、又左衛門と同じ女を好きで自分が彼女を娶った。

≪若い人たち≫

佐藤正之助・・・佐藤又左衛門の孫。畑中早苗の許嫁者だが、阿部雪緒にもちょっかいを出す・・・すばしっこいやつ。

畑中早苗・・・畑中采女の妹。佐藤正之助の許嫁者。

畑中采女・・・畑中早苗の兄。雪緒の許嫁者。雪緒が席へ泣いて戻るのを見て一緒にいた正之助に怒る。

阿部雪緒・・・畑中采女の許嫁者だが、佐藤正之助に誘われて・・・・・

渡貫藤五・・・渡貫義兵衛の孫。藩政改革に熱く燃える若者。

燕(つばくろ)のあらすじ(※ネタバレ含みます)

今日は一年に一度の「茸狩り」の日。男女が半ば公然と行動を共にすることができる。舟遊びの音や歓声、歌声が聞こえてくる。正之助は雪緒を誘ったり早苗を誘ったりしている。渡貫籐五は藩政改革の火を放つため、老臣の一人でも斃そうと様子を窺っている。佐藤又左衛門をはじめ老臣たちは懐旧談と美味いものに浸っている。

かん太
章ごとに、場面が若者たち→老臣たちと切り替わって面白いです。
アリア
名家老とその孫のタイプが全く違うところや、渡貫とその孫のことも巧く書かれています。

燕(つばくろ)覚え書き

一揖(いちゆう)・・・軽くお辞儀をすること。

小酒宴(こざかもり)・・・人々が集まり酒を酌み交わして楽しむ会

凡俗(ぼんぞく)・・・ありふれていてとりえのないこと。

賤民(せんみん)・・・身分の低い民。

治績(ちせき)・・・政治上の功績。

悠暢(ゆうちょう)・・・のんびり、ゆったり

別墅(べっしょ)・・・別荘。別邸。

女色(じょしょく)・・・女性の性愛。

徳義(とくぎ)・・・人として守るべき道徳上の義務。

婦徳(ふとく)・・・女子の守るべき徳義。

劬る(いたわる)

紊れる(みだれる)

誅殺(ちゅうさつ)・・・罪をとがめて殺すこと。

舷燈(げんとう)・・・船舶が掲げる色灯。

 

 

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