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討九郎馳走 山本周五郎

【朗読】討九郎馳走 山本周五郎 読み手アリア

こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は山本周五郎作「討九郎馳走」です。この作品は、昭和17年37歳の作品です。武家もの、岡崎もので幕府や大名家の複雑な関係や政治的な緊張などが描かれています。

討九郎馳走 主な登場人物

兼高討九郎・・・26歳、徒士組の支配をしている五百石の番頭。武骨物で礼儀作法に疎く、野戦演習に情熱を注いでいる。

水野主馬・・・老職であり、討九郎に馳走番を命じる。厳格な性格で、討九郎の辞退を許さない。

水野忠善・・・岡崎城主で討九郎の主君。41歳で、精悍な風貌をしている。討九郎に馳走番を命じた張本人。

拝郷源左衛門・・・家老の一人。討九郎に馳走番を一時的に交代するように提案する。

大納言義直・・・尾張の大名で、討九郎の接待を受ける。水野忠善とはかねてより反目の間柄。

討九郎馳走 あらすじ

兼高討九郎は、勇猛果敢な武士であり、徒士組の指揮官として野戦訓練に情熱を注いでいた。彼の生き方は武骨で、礼儀作法に疎い。しかしその彼に馳走番という接待役が命じられた。彼はこの役目に戸惑い、何度も辞退を申し出る。自分がこの役にふさわしくないことを強く感じていたのだ。しかし主君、水野忠善はその辞退を許さず、彼を厳しく叱責するのであった。彼は仕方なく馳走番を引き受けるが、その職務に対して心から尽力することはできなかった。日々の勤めが続く中でも、彼の心は戦場での訓練に焦がれていた。そんな折、尾張の大名が城に宿泊することになり、彼の接待に不安を感じた老職たちは討九郎に一時的に役目の交代を提案するのだった。

討九郎馳走 アリアの感想と備忘録

兼高討九郎が馳走番の役を仰せつかって辞退を申し出る場面に彼の率直で誠実な性格が表れており、武士としての誇りと責任感を感じました。仰せつかった役はとりあえず受けるのものですが、自分の限界を正直に認める討九郎の率直な姿勢に彼の魅力が出ている思いました。でも結局は馳走番となるのですが、日々の勤めの中で、与えられた役割に対して本当の意味で自分を捧げることができない苦悩が伝わってきます。しかし、老職たちが彼に馳走番を一時交代するように提案する場面では討九郎の誇りと責任感が再び試されます。彼がその提案を拒否し、自らの役目を全うする決意を固めた時、まさに武士としての覚悟と誇りを感じて胸を打たれました!

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