【朗読】思い違い物語 山本周五郎 読み手アリア
こんにちは!いつもご視聴ありがとうございます、癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「思い違い物語」です。この作品は、昭和25年労働文化に掲載されました。朗読の長さが2時間40分ほどあるのでだいぶ長い作品です。ぜひ目次で区切ってお楽しみください。江戸からきた典木泰助は寄合格で奉行総務という職につき、山治家に寄宿して毎日精勤した。
思い違い物語 主な登場人物
典木泰助(兄)・・・温厚で大人しい性格。石仏とか昼のろうそくとか云われていたが大賢人に落ち着く。
典木泰三(弟)・・・二十三歳。がっちりと固太りで濃い眉毛と尻下がりな目尻と白い大きな歯を持つ。粗忽者でしゃべりすぎるため藩で厄介者となる。しかし喧嘩がめっぽう強い。
山治右衛門・・・九百二十石の中老で年寄役を兼ねる。泰助と泰三を寄宿させる。姉妹のどちらかと泰助を結婚させることにしている。泰三の粗忽に参っている。
満信文左衛門・・・城代家老。温厚な徳人、思慮綿密、喜怒を色に表さず、かつて人を叱ったことがなく、声を上げて笑わず、沈着寛容、常に春風駘蕩という人柄。
千賀・・・山治右衛門の長女。十八歳。泰助のようなおとなしい人と結婚したいと思っている。
都留・・・十七歳。勘が敏速で口が達者。白を黒と云いくるめる巧みさと、云いくるめるまでの精力的なねばり強さとは無敵である。
思い違い物語 覚え書き
大愚(たいぐ)・・・非常に愚かなこと。
大賢(たいけん)・・・非常に賢いこと。
春風駘蕩(しゅんぷうたいとう)・・・春風がのどかに吹くさま。
泰然自若(たいぜんじじゃく)・・・落ち着いていて物事に動じないさま。
反噬(はんぜい)・・・動物が恩を忘れて飼い主に噛み付くこと。恩ある人に背いてはむかうこと。
乖離(かいり)・・・そむいて離れること。
頑是ない(がんぜない)・・・分別がない。
綱紀粛正(こうきしゅくせい)・・・国家の規律や秩序、また政治のあり方や政治家や役人の態度をただすこと。
清高(せいこう)・・・清らかで優れていること。
慷慨(こうがい)・・・世間の悪しき風潮や社会の不正などを怒り嘆くこと。
廉潔(れんけつ)・・・私欲がなく、心や行いが正しいこと。
艱難辛苦(かんなんしんく)・・・人生でぶつかる困難や苦労。
紊乱(びんらん)・・・秩序や風紀が乱れること。
活眼(かつがん)・・・物事の道理や本質を見分ける眼識。