【朗読】歔欷く仁王像 山本周五郎 読み手アリア
こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「歔欷く仁王像」です。この作品は昭和13年少女倶楽部に掲載されました。周五郎35歳の作品です。この年の少女ものは「美少女一番乗り」「牡丹花譜」「藤次郎の恋」「武道宵節句」や「朝顔草紙」などが書かれています。題名の「歔欷」が読めなかったんですが、「きょき」と読むそうですすり泣きのことだそうです。また大岡越前守も登場する珍しい作品で、主人公のお通はお決まりの目鼻立ちの整った美少女。清吉も孤児という設定で美少年でした。
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歔欷く仁王像 主な登場人物
お通・・・十三歳。近所で評判の器量よし。日本橋通油町で有名な骨董商の一人娘。しもぶくれの京人形のような面差しに唐人髷の似合うかぐや姫のような少女。
清吉・・・十五歳。お通とは従兄にあたる孤児。お通の家に引き取られ小僧たちと一緒に働いている。口数の少ない利口な性質でお通の遊び相手になっている。
治兵衛・・・骨董屋、和泉屋の主人。お通の父。手入れのために預かった島津家の冑を失くしてしまい、島津家に押込められてしまう。
藤兵衛・・・和泉屋の番頭。
与吉・・・和泉屋の手代。
津田直記・・・島津家の用人。
歔欷く仁王像 覚え書き
中の間・・・家の中心にある部屋。店と奥との間にある部屋。
眉庇(まびさし)・・・兜の鉢の前方に庇のように出て、額を覆う。
万々(ばんばん)・・・十分に、完全に。
床柱(とこばしら)・・・床の間のわきに立つ化粧柱。
気随気儘(きずいきまま)・・・勝手気ままにふるまうこと。