【朗読】真説吝嗇記 山本周五郎 読み手アリア
こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「真説吝嗇記」です。この作品は、昭和23年新読物に掲載されました。酒飲みの飛田門太(とんだもんた)は鑓田という三百五十石御宝庫番頭の二男に生まれ、二十二歳で百五十石勘定方書役の飛田家へ入婿した。酒を飲んだり友情に篤くむくいたりする彼には俸給が足りない。だからいつも問太の兄の子、鑓田宮内(やりたくない)に金を借りるのだった。登場人物が個性的で面白かった!とくにけちんぼ宮内とかつ女のやりとりに注目です!
真説吝嗇記 主な登場人物
飛田門太(とんだもんた)・・・相当な酒好き。一日中飲んでいる。算数の天才で、およそ十五人分の仕事を一人で片づけるし、酒飲みの人情家で同僚の信愛を集めていた。飛田家へ入婿する前に鑓田家で部屋住をしていた時分からずっと宮内に小遣いをせびっていた。宮内の理解者。
よの・・・門太の妻。
琴太郎・・・門太とよのの長男。宮内が子どもの時からとっておいた玩具を全部譲り受ける。
鑓田宮内(やりたくない)・・・門太の兄の子。三歳の頃から吝嗇家。家中の評判は悪いが、門太だけは彼を愛し憂いしぼる。彼も門太だけには嫌な顔もせず金を融通している。
かつ・・・宮内の妻。無敵の吝嗇家。
矢礼節内(やれせつない)・・・鑓田家に三代前から仕える老家士。
真説吝嗇記 覚え書き
日子(にっし)・・・日数。
吐逆(とぎゃく)・・・飲食したものが、井から逆行して上がってくる現象。
鬼窟裡(きくつり)・・・鬼の住む洞穴。
将を射んと欲すればまず馬を射よ・・・主となるものを攻撃したり手に入れようとするとき、直接狙うより、その周囲から狙う方がよいことのたとえ。
倍加(ばいか)・・・倍に増えること。
吝嗇(りんしょく)・・・けち。
譴責(けんせき)・・・叱って責めること。
痼疾(こしつ)・・・長い間悩まされている病気。
僅少(きんしょう)・・・ほんのわずかなこと。
戒飭(かいちょく)・・・人に注意を与えて慎ませること。自分から慎むこと。
謹厳(きんげん)・・・まじめでいかめしいこと。
小言は言うべし酒は買うべし・・・いたらぬことはどんどん叱ってもいいから良いこともどんどん褒める。
割れ鍋に綴じ蓋・・・どんな人にもふさわしい伴侶があることのたとえ。
醜婦(しゅうふ)・・・醜女。