【朗読】七日七夜 山本周五郎 読み手アリア
こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「七日七夜」です。この作品は昭和26年講談倶楽部に掲載されました。四男ひやめしの本田昌平の話です。二男三男は冷飯くらい、四男五男は拾い手もない古草鞋。などという通言があって、士農工商ひっくるめた相場で、なかでも侍はつぶしが利かないのと体面があるだけ実情は一番深刻だったという。本田は旗本で三千石、長兄は勘定奉行の勝手係なので役料の他に別途収入があるにもかかわらず吝嗇漢で、次弟を町奉行の書記に出し、三男は家扶の代役に使い、四番目の昌平は「本田家には類のない能無し」といってほとんど下男のように扱われた。長兄の兄嫁も彼をいびり、下男下女まで軽蔑した態度を取るのだった。ある日とうとう昌平の忍耐はぷつんと切れ、兄嫁を脅して二十五両の束五つを奪い、そのまま新吉原の遊女やで大尽遊びをするのであった。
兄嫁についたすばらしく辛辣な悪態が、「おれの残りの冷飯でも食え」なんだよ。ひどい目にあってたんだね。
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七日七夜 主な登場人物
本田昌平・・・二十六歳、ものごとを我慢することに自信を持つ。下男以下に扱われ続けて堪忍袋の緒をぷつんと切って、兄嫁から金を奪って出奔する。
佐兵衛・・・仲屋の常連客。
徳治・・・餝職人、仲屋の常連客。
千代・・・仲屋の主人の娘。病気になった昌平の世話をする。
弥平・・・仲屋の主人、昌平を気に掛ける。
七日七夜 覚え書き
通言(つうげん)・・・世間一般に行われている言葉。
第一義(だいいちぎ)・・・最も大切な根本的な意義、または価値。
擬古体(ぎこたい)・・・昔の風習や様式を真似ること。詩文で古体になぞらえて作ること。
艶冶(えんや)・・・なまめかしくて美しいこと。
酒池肉林(しゅちにくりん)・・・酒や肉が豊富で豪奢な酒宴のこと。