【朗読】三十ふり袖 山本周五郎 読み手アリア
こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「三十ふり袖」です。この作品は昭和29年講談倶楽部に掲載されました。家庭の事情で婚期が遅れ、病気の母を抱えて内職で生活を立てている27歳のお幸が、巴屋の旦那喜兵衛の囲い者になることになる。お幸は生活に追われることはなくなるが、金で買われた自分を哀れに思い、喜兵衛に心も体も許すことができない・・。お幸の気持ちよりも旦那喜兵衛の真心が切ない話でした。
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三十ふり袖 主な登場人物
お幸・・・小柄だがゆったりしてみえる。顔立ちはのびやかで眉と目の間が広く、唇の線も豊かに波をうっている。一口にいうとおかめ顔で髪もちょっと赤く、決していい器量ではないが全体におっとりした温かさがあって向き合っている相手になんとなくしっとりした気分を与える娘。
喜兵衛・・・巴屋の旦那。固太りのがっちりした躰で色が黒く、眉毛が薄く小さな眼つきで全体が田舎の小地主という感じ。話しぶりや飲み食いの様子は変に堅苦しく陰気なほう。口下手。
お文・・・お幸の母。痛風の持病がある。喜兵衛の人柄を見抜く。
平吉・お松・・・飲み屋みと松の主人と女房。喜兵衛にお幸を紹介する。
三十ふり袖 覚え書き
痢病・・・赤痢の類。
おためごかし・・・表面は人のためにするように見せかけて実は自分の利益を図ること。
逼塞(ひっそく)・・・落ちぶれて世間から隠れ、ひっそりと暮らすこと。