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女は同じ物語 山本周五郎 

【朗読】女は同じ物語 山本周五郎 読み手アリア

こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「女は同じ物語」(昭和30年)です。「どんな娘でも、結婚してしまえば同じようなものだ。娘のうちはいろいろ違うように見える、ある意味では慥かに違うところもある、が、或る意味では、女はすべて同じようなものだ。」と冒頭に書かれています。許嫁者がいるのに侍女を好きになってしまう広一郎。彼の恋の行方は・・・

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女は同じ物語 主な登場人物

梶広一郎・・・二十六歳、女は嫌いだといって結婚しない。役料十五石で藩の文庫へ勤めている。とびぬけた才能はない。

梶竜右衛門・・・四十七歳、二千百三十石の城代家老。家の実権を妻に握られている。「女はみな同じ」と息子に教える。

さわ・・・四十二歳、竜右衛門の妻、広一郎の母。家の全ての実権を握り、女は嫌いだという広一郎が女に興味を持つように、きれいな侍女を彼につける。

よの(紀伊)・・・十七歳。城下の呉服屋の娘。名はよのだが、梶家では「紀伊」と呼んでいる。

安永つな・・・広一郎の許嫁者。幼い頃一緒に遊び、広一郎に悪戯を仕掛けるおませな「つな」に対して「気の強い、意地悪な娘だった。」と思い込んでいる。

佐野要平・・・貧乏で有名な中老の息子。十一人兄弟の長兄。あだ名は平家蟹。剣術が巧く腕っぷしが強い。呑み代がないので友人にたかり、至るところに勘定を溜めている。呉服屋のよのに縁談を申し込むが断られる。しかし・・・

女は同じ物語 あらすじ(※ネタバレを含みます)

梶竜右衛門は二千百三十石の城代家老で、一人息子の広一郎は二十六歳、藩の文庫勤めをしているが、女は嫌いで許嫁者がいたが結婚しようとしなかった。そこで母のさわ女が、広一郎にきれいな侍女をつければ女に興味を持つようになるだろうと、彼女によって厳重に選ばれた紀伊という侍女を広一郎につけた。竜右衛門としては未婚の息子に侍女をつけるというのは武家の習慣としてもどうかと思ったが、家の実権は全て妻が握っているため反対することはできなかった。紀伊が侍女になってひと月経つと広一郎は侍女の躰つきをみて温雅だなと好ましく思った。彼女の二の腕があらわに見えたとき、その美しさに胸がときめいた。ふた月目には紀伊の声がやわらかく落ち着いて澄んでいることに気付く。そして紀伊が器量よしだと気付いて目をみはった。翌月には広一郎は紀伊と話をするようになった。紀伊に話しかけるときには顔が赤くなり、紀伊も同じように赤くなった。その翌月のある日、紀伊がひどく沈んだ様子をしているのに気づく。どうしたのかと何度も聞くと紀伊は泣き出した。

かん太
広一郎は問い詰めると、紀伊に縁談があって、紀伊は嫌で断るのに相手はしつこく承知しない。それは家中であまり評判のよくない中老の長男、佐野要平であった。
アリア
広一郎は佐野要平と決闘するんだ。そして佐野は紀伊から手をひくことを承知する。その後、広一郎と紀伊は急接近し、結婚したいと思うようになる。しかし両親は大反対して・・・

女は同じ物語  覚え書き

由ありげ(よしありげ)・・・わけがあるようなさま。何か深い由緒や事情などがあるようなさま。

秋波(ながしめ)・・・美人の美しい目許。また、女性の媚を含んだ目つき。

奸悪(かんあく)・・・心がねじけていて悪いこと。また、そういう人や、そのさま。

嬌羞(きょうしゅう)・・・女性のなまめかしい恥じらい。

嘲弄(ちょうろう)・・・あざけり、からかうこと。

アリア
広一郎の「ずっと父と母の生活をみていて、父を気の毒に思った。表面上は旦那さまと立てて父は家長の座に座っている。しかし実際の私生活では母の思うままだ。全ての実権は母が握っている。父には、母のにぎっている鎖の長さだけしか自由はないし、その鎖で思うままに操縦されている。」どこもそうなのかなぁ・・・・
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