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一代恋娘 山本周五郎

【朗読】一代恋娘 山本周五郎 読み手アリア

こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「一代恋娘」です。(昭和13年/講談雑誌)周五郎先生35歳の作品です。同年に書かれた「牡丹花譜」に少し似ています。水戸の若君吉孚は素晴らしい美男で、水戸の光源氏ともっぱらの評判だった。副将軍三十五万石の公達で二十一歳、それで天下第一の美男ということで人気が高かった。登城、その他で行列が通ると、常に沿道は人垣を築いた。その行列が通る時、必ず筆屋の前に現れるずばぬけて美しい一人の町娘があった。

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一代恋娘 主な登場人物

徳川吉孚(よしたね)・・・綱条(つなえだ)の世子。病弱な体質で頬は透き通るように美しい。二十一歳。妻とはうまくいっていない。

千賀(芙蓉)・・・唐物商、奈良屋伝右衛門の娘。十七歳、目元に少し険があるが、ずばぬけた美しさで髪飾りも衣装も贅をつくしている。いつも手代風の若者と乳母が付き添っている。

奈良屋伝右衛門・・・唐物商。奈良屋は長年の水戸家御出入り商人で、勘右衛門と伝右衛門は昵懇の仲。

美濃部又五郎・・・水戸藩士。

松並勘右衛門・・・水戸藩老中。

八重子・・・吉孚の妻。将軍綱吉の娘として嫁してきた。吉孚十四歳、八重子十歳の時から形だけ夫婦として成長してきたが、二人の間に愛慕の情はない。

徳川光圀・・・吉孚の祖父。頼房の三男。水戸家二代藩主。

徳川綱条・・・松平讃岐守頼重の子。水戸家三代藩主。光圀の養子。

一代恋娘 覚え書き

姦しく(かしましく)・・・口やかましい、うるさいこと。

大童(おおわらわ)・・・一生懸命になること、夢中になること。

蹲う(つくばう)・・・平伏する。

衆人環視(しゅうじんかんし)・・・大勢の人が周囲を囲むようにして見ていること。

駕籠訴(かごそ)・・・江戸時代、幕府の重職にある人や大名などの駕籠が通るのを待ち受けて直訴すること。

乱心(らんしん)・・・心が乱れて狂うこと。

唐物商(からものしょう)・・・貿易商。

憐憫(れんびん)・・・あわれむこと。

昵懇(じっこん)・・・親しく打ち解けてつきあうこと。

鞠杖(きゅうじょう・ぎっちよう)・・・木製の鞠を打つ杖。

打鞠(だきゅう)・・・奈良時代に中国から伝わった遊戯、現在のポロのような。

渇仰(かつごう)・・・心から慕うこと。

舌鋒(ぜっぽう)・・・言葉つきの鋭いことを矛先に例えていう。

権高(けんだか)・・・プライドが高くて傲慢なこと。

御寝(ぎょしん)・・・おやすみ

御簾中(ごれんじゅう)・・・正妻。

 

 

 

 

 

 

 

 

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