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孤島 山本周五郎

【朗読】孤島 山本周五郎 読み手アリア

こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「孤島」です。(昭和10年)父の敵に命を救われるという点が「雪崩」と同じですが、大暴風雨の中で船が転覆する様子や火山の噴火の描写など迫力満点です。主人公、曽根欣之助と妹の夏江は、父の敵を二年この方苦心を重ねて探していた。そして鳥羽の港から西海丸が出帆したとき、父の敵、栖埼重次郎と同じ船に乗り合わせていることを知ります。欣之助と十次郎は二つ違いで、少年時代から普通につきあってきました。夏江も十次郎とはしばしば会って話したことがありました。しかし二年前、ふとしたことから欣之助の父と十次郎が口論になり、仕掛けられてやむなく抜き合わせた結果、十次郎はついに欣之助の父を切ってしまったのでした。三人が乗り合わせた船はやがて大暴風雨に合うのでした。

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孤島 主な登場人物

曽根欣之助・・・父、曽根藤左衛門を十次郎に切られ、仇討ちのため十次郎を探し回っていた。十次郎に「父親に似て頑固」と云われる。

夏江・・・欣之助の妹。海で気を失ったところを十次郎に助けられる。

栖埼十次郎・・・高山藩で百五十石を取る江戸詰めの馬廻りで、若いに似合わず思慮が深く、朋輩の間にも人望があった。しかし上役を斬ったため藩を立ち退いた。

孤島  覚え書き

舷(ふなばた)・・・船の両側面。ふなべり。

理非(りひ)・・・道理にかなっていることと外れていること。

仮令(たとえ)・・・たとえば

疾風(はやて)・・・速く激しく吹く風。

飛礫(つぶて)・・・小石を投げること。また、その小石。

海面(うみずら)

竜骨(りゅうこつ)・・・船底の中心を、船首から船尾へ貫く主要部材。

奔騰(ほんとう)・・・非常な勢いであがること。

海松(みる)・・・海藻の一種。

暗澹(あんたん)・・・薄暗くはっきりしないさま。暗く陰気なさま。

邂逅(かいこう)・・・思いがけなく会うこと。

鳴動(めいどう)・・・大きな音を立てて揺れ動くこと。

潮鳴り(しおなり)・・・海の波が岸に寄せたり返したりするときの音。

帆影(ほかげ)・・遠くに見える船の帆。

落ち潮(おちしお)・・・引き潮

悩乱(のうらん)・・・悩み苦しみ心が乱れること。

 

かん太
久夫十蘭の「藤九郎の島(昭和27年)も無人島に漂着して何年も暮らすという話ですが、こちらも生活の様子が詳細で面白かったです。いずれ読みたいと思います!

 

 

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