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虚空遍歴2の5 山本周五郎

【朗読】虚空遍歴2の5 山本周五郎 読み手アリア

こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、常磐津の繁太夫が、冲也に新しい道を模索するように促します。そして冲也の内心の葛藤が描かれています。

虚空遍歴2の5 主な登場人物

冲也・・・芸の道を志しているが、侍としての気質や義理に縛られています。

繁太夫・・・冲也の自立と成長を願って、新しい芸風を模索するよう促します。

由太夫・・・冲也を支え、彼のそばに寄り添おうとします。

次郎・・・繁太夫の連れの若者の一人。大きな商家の息子で、冲也を支援したいと申し出る。

正吉・・・繁太夫のもう一人の連れの若者。やはり大きな商家の息子で、冲也の芸に惚れ込んでいる。

虚空遍歴2の5 あらすじ

冲也は、繁太夫との対話を通じて、彼自身の侍気質や芸の道への葛藤を突きつけられます。繁太夫は彼に新しい芸風「冲也ぶし」を模索するように促しながらも、冲也は過去の経験や義理に縛られ、新たな一歩を踏み出すことに躊躇しています。

一方お京は、冲也に対する長年の想いを静かに告白し、優しい微笑みと穏やかな言葉で彼の心を和らげ、冲也にとって大切な存在であることを再確認させます。繁太夫の厳しい言葉とお京の優しさに支えられながら、冲也は芸の道においても、人生においても、新たな一歩を踏み出す決意を固めるのでした。

虚空遍歴2の5 アリアの感想と備忘録

冲也と繁太夫のやり取りに、芸の真髄や侍気質について考えさせられました。八千石の武家で育った冲也は、やはりその誇りと義理に縛られた中で、常磐津から自分の芸を模索しています。その姿は現状に安住しがちな、変化を好まない私たちの姿とも重なって共感しました。そしてお京との関係で、冲也は自分の感情と向き合い、心の中にある不安や葛藤を少しづつ解消して行きました。お京の存在が冲也の心の拠り所であり、彼の成長を支えるのですね。芸の道は一筋縄ではいかないでしょうから、外部の評価や伝統にとらわれることなく、自分の信念を貫くことは難しいでしょうね。でも冲也には「そこを超えてぜひがんばってもらいたい!」と思いました。

 

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