【朗読】虚空遍歴 13の5 山本周五郎 読み手アリア
こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は少し緊張が緩んだ話で一息落ち着くことができました!山中ぶしの師匠菊五郎を部屋に呼ぶところから始まります。お菊とおけいの女子会も楽しそうです!ではどうぞ。
虚空遍歴 13の5 主な登場人物
冲也とおけい
菊五郎(お菊)・・・三十がらみの山中ふしを教える師匠格。上背がたっぷりしていて肉付きも程よく、おもながの白粉けのない顔に細いけれども濃い眉と涼しい目とに色気が表れている。媚びでもない、その年頃の女から自然ににじみでる色気がある。
虚空遍歴 13の5 あらすじ
温泉宿が賑わう初夏の山中で、浄瑠璃の仕上げにかかる冲也とおけいは、ある晩おけいの望みで、山中ぶしの師匠、菊五郎を部屋に呼んで歌ってもらうことにします。菊五郎は少ししゃがれた声で情感たっぷりに歌い、おけいと冲也の心を動かされます。冲也はその夜、過去のお京との思い出に浸り、遠い異国にでもいるかのような感傷的な気持ちに包まれます。一方おけいとお菊との間には次第に友情が芽生え、彼女たちの会話は互いの人生の悲しみやびを分かち合う場となります。お菊は忘れられない男の話をし、おけいと冲也を羨むが、おけいは冲也との関係は語りませんでした。
虚空遍歴 13の5 アリアの感想と備忘録
今回は、派手な展開があるわけではなかったけれど、三人の内面や細やかな感情の動きがじっくりと描かれていて引き込まれました。冲也の寡黙さとおけいとの微妙な距離感がなんとも言えない雰囲気を醸し出しています。またお菊が過去の男を引きずっている様子や、おけいとの友情が芽生えたこともリアルに共感できる部分が多かったです。雨音や川の音も寂しさや孤独感と共に描かれていて、まるでその場にいるような臨場感がありました。不思議な余韻が残る章です。