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虚空遍歴 独白 山本周五郎

【朗読】虚空遍歴1 山本周五郎 読み手 アリア

こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎の長編小説「虚空遍歴」です。この作品は昭和36年から2年間、小説新潮に連載された晩年に執筆されました。主人公が芸の道に生きる姿に作者の姿が重なって胸いっぱいになる感動作品です。ぜひ最後までお楽しみください。第1回は「独白」です。

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虚空遍歴 連載第1回 主な登場人物

あたし(おけい)・・・21歳。松廼家のじつの娘。芸妓。色好みな性分で13歳で男を知り16歳であの方の三味線を聴いてから人間が変わる。

あの方・・・端唄の名人。誰にでもどこでも歌われている。

 

虚空遍歴 連載第1回 あらすじ

十六歳の秋、初めて耳にした「雪の夜道」の端唄、それは心を震わせ体が透明になるような感動をもたらした。柳橋の万清で山五さまのお座敷での出来事だった。幼い頃から色恋への興味を隠しきれなかったあたし。その性分は芸妓としての生活においても、周囲の驚きや反感を呼び起こしていた。しかしあたしは自分の欲望に忠実であり、好奇心の赴くままに行動した。

やがて十八歳の秋、西村さんに囲われる身となり、贅沢で自由な日々を過ごすようになった。彼は祖父のような年齢差のある人だったが、不思議と苦痛は感じなかった。そんなあたしの心の支えとなっていたのは、あの方の三味線の音色だった。どんな時でもその音が聴こえると心が静まり、他のことはどうでもよくなった。

 

 

 

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