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【朗読】日本婦道記より「風鈴」山本周五郎 読み手 アリア

日本婦道記より「風鈴」山本周五郎    読み手 アリア

 

こんにちは 癒しの朗読屋アリアです。今回の朗読は、山本周五郎作 日本婦道記より「風鈴」です。風鈴といえば夏の風物詩ですが、私は南部鉄の風鈴の音が好きです。子どもの頃、夏になって母が窓辺に南部鉄の吊鐘風鈴を掛けてくれるのが楽しみでした。風が吹くたびに涼やかな音が鳴って、風がなければ音はならないのですが、寝苦しい夜も涼やかに感じます。山本周五郎の日本婦道記といえば、直木賞に推されるも辞退し直木賞史上唯一の授賞決定後の辞退者となったことでも知られています。日本婦道記は全部で31話あるのですが、コツコツと読み進めていきたいと思います。どうぞ気長にお付き合いください。

 

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日本婦道記「風鈴」のあらすじ

弥生は勘定所づとめの三右衛門と息子の三人暮らしでつましい生活をしている。弥生は15歳で父を亡くし、それより数年前に母を亡くしていたので、15歳で二人の妹たちの世話や家政の全てを背負って立った。生活は苦しく、衣類や調度はむろん日用のものもすべて不足しがちで、一片の塩魚を買うにも味噌や醤油を買うにさえ銭嚢の中を数えなければならなかった。また妹たちが、ふた親のない貧しい暮らしで卑屈になったり陰気な性質にならないよう、のびのび育てたい、世間へ出て笑われないよう読み書き、作法を身に着けてやりたいと若い弥生には無理なことを克服してきた。やがて二人の妹たちは良家に嫁して少しづつ性質が変わっていった。

アリア
二人の妹を恵まれた結婚生活に送り出してほっとした弥生。亡き父母も満足して下さるだろう。妹たちも、いつかは姉の苦労を知って感謝してくれるだろうと信じていた弥生。15歳で本当に大変だったろうね。頭が下がるよ。
かん太
妹たちは実家へ来るたびに、実家の貧しさを厭うようになり、貧しい実家を持つことを恥じるような口ぶりさえみせるようになるんだ。でも弥生はね、妹たちがそういう考えをするのは現在の生活が豊かで恵まれているから。生活が豊かで恵まれているんだから、それを怒ってはならないと思うんだ。
アリア
でもね、次第に弥生に迷いが出てくるんだ。こうして苦しい日を送り、苦しい日を迎えて自分の一生が経ってしまう。これで生き甲斐があるのかと絶望するんだよ。妹たちは夫に頼んで三右衛門の役替えを上役に頼むんだよ。弥生も夫の役替えを願うようになる。私だったらもうすでに夫にはっぱをかけてるな。ここからがこの話のクライマックスだよ。ぜひ朗読を聴いてください。

主な登場人物

 

覚え書き

文筥(ふばこ)・・・書状などを入れておく手箱。

火桶(ひおけ)・・・木製の丸型の火鉢。

厨(くりや)・・・台所。

遊山(ゆさん)・・・野山に遊びに行くこと。

題簽(だいせん)・・・和漢の書籍の表紙に題名などを記してはる細長い紙。

重陽 (ちょうよう)・・・五節句の一つで9月9日のこと。旧暦では菊が咲く季節であることから菊の節句とも呼ばれる。

詠嘆 (えいたん)・・・感動を声に出すこと。

険のある(けんのある)・・・冷たくきつい印象や感じのこと。

惘然(もうぜん)・・・あきれて、あっけにとられたさま。

覇気(はき)・・・物事に積極的に取り組もうとする意気込み。

徒労(とろう)・・・無駄な骨折り、無益な苦労。

慚愧(ざんき)・・・自分の見苦しさや過ちを反省して心に深く恥じること。

霏々(ひひ)・・・雪や雨が絶え間なく降るさま。

 

 

 

 

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