【朗読】児次郎吹雪 山本周五郎 読み手アリア
こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「児次郎吹雪」(昭和12年)少女倶楽部に掲載された少女ものです。児次郎は、元松江藩の徒士頭だった父と兄、松太郎の親子三人、むつまじいくらいにいささかの曇もなく育っていました。隣邸の郷士の娘お冬は、児次郎とは幼い頃から兄妹も及ばぬ仲の良い相手でした。ある日、児次郎とお冬がつれだって道を急ごうとした時、二人の行手を見馴れぬ武士七、八名に立ちふさがれてしまいます。この時から児次郎はお家騒動に巻き込まれていくのでした。
児次郎吹雪 主な登場人物
椙山児次郎・・・十七歳、絵に描いたような前髪立ちの美少年。松江藩のお家騒動に巻き込まれる。
お冬・・・隣邸の郷士の娘。
新宮甚右衛門・・・松江藩の国家老。児次郎を利用して、松江藩の権力を握ろうとしている腹黒い男。
甚右衛門一味・・横目付倉田宗九郎、勘定奉行林右近、物頭和田六郎兵衛、畠島忠左衛門、御側用人鈴木伝造の五名。
松江城主、松平信太郎義綱・・・まだ部屋住のころ、おもよという側女が松太郎を産んだ。しかし、それから間もなく、義綱へ徳川家から千代姫が輿入れすることになったため、幕府に憚るため、松太郎を椙山重兵衛に預けた。
児次郎吹雪 覚え書き
伯耆(ほうき)・・・旧国名のひとつ。山陰道に属し、鳥取県の中西部にあたる。
顫える(ふるえる)
慄える(ふるえる)
西行(さいぎょう)・・・西行が諸国を遍歴いたところから、諸国を歩き回ること。また、その人。
面魂(つらだましい)・・・強い精神、気迫の表れている顔つき。
人品(じんぴん)・・・人としての品格。特に身なり、顔立ち、態度などを通して感じられるその人の品位。
検める(あらためる)・・・詳しく調べる、吟味する。
一札(いっさつ)・・・一枚の書付、一通の手紙、文書。
如件(くだんのごとし)・・・前記記載の通りである。書状、証文の最後に書き記す語句。
僭称(せんしょう)・・・身分を超えた称号を勝手に名乗ること。
必定(ひつじょう)・・・そうなると決まっていること。
隠退(いんたい)・・・社会的活動の第一線から退くこと。
密雲(みつうん)・・・厚く重なった雲。
密議(みつぎ)・・・秘密の会議。
謀議(ぼうぎ)・・・計画相談すること。
雪女郎(ゆきじょろう)・・・雪女
霏々(ひひ)・・・雨や雪などが、しきりに降るさま。
斃れる(たおれる)
墨痕(ぼっこん9・・・筆で描いた墨の跡。
斬奸(ざんかん)・・・悪者を斬り殺すこと。
賊臣(ぞくしん9・・・主君に背く臣下。