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初夜 山本周五郎

【朗読】初夜 山本周五郎 読み手アリア

こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「初夜」(昭和29年)です。明和9年 二月初旬のある日、寄合肝煎の脇屋代二郎の屋敷へ、上士の下の番頭で練志館の師範を兼ねる除村久良馬が訪ねてきます。代二郎二十六歳、久良馬は代二郎より三歳年長の二十九歳、二人は全く違った性質で、代二郎が十五歳の年に江戸へゆき、聖坂の学問所へ通学するかたわら、柳生の道場でも修行した。そのころから二人は互いに心をゆるしあうようになった。江戸から帰っても、ずっと親しい往来が続き、久良馬が結婚してから間もなく、代二郎は彼の妹・桃世と婚約を結んだのであった。

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初夜 主な登場人物

脇屋代二郎・・・寄合肝煎 武芸にはあまり興味が持てない。久良馬にはかなわないと思っている。密談の際は、経済や政治の説明役のような立場だった。

除村久良馬・・・練志館の師範。妻子がある。紛れのない決断や実行力があり、自分が好んですることを恥じない。

桃世・・・久良馬の妹。十四歳の時、代二郎と婚約する。

久保貞造・板土友次郎・丸茂源吾・・・練志館の門人。

石見守康富・・・藩主。

右京亮康貞・・・松平出羽家からの養子。藩政の混乱させている。

井関籐也・落合庄次郎・・・右京亮の側用人。

初夜 覚え書き

上士(じょうし)・・・身分の高い武士。

一期(いちご)・・・人の生まれてから死ぬまでの間。

不参(ふさん)・・・参加しないこと。

臆した(おくした)・・・気おくれしておどおどすること。

名聞(みょうもん)・・・世間での評判・名声。

多血質(たけつしつ)・・・快活、楽天的、社交的で気が変わりやすい気質。

重畳(ちょうじょう)・・・幾重にも重なること。

加印(かいん)・・・保障のために押すもの。

善後(ぜんご)・・・あとのためによいようにすること。

主我(しゅが)・・・何事も自分を第一に考えて、他をかえりみないこと。

不即不離(ふそくふり)・・・二つのものが強く結びつきもせず、また、離れもしない関係にあること。

敢然(かんぜん)・・・困難や危険を伴うことは覚悟のうえで、思い切って行うさま。

余歩(よぶ)・・・検地のさい、農民のために計りのこす部分。

紊乱(ぶんらん)・・・秩序・風紀などが乱れること。

癇癖(かんぺき)・・・怒りっぽい性質。

温厚篤実(おんこうとくじつ)・・・性質がおだやかでまじめな様子。人当たりがやわらかく誠実な様子。

騒擾(そうじょう)・・・集団で騒ぎを起こし、社会の秩序を乱すこと。

翻意(ほんい)・・・決意をひるがえすこと。

僧形(そうぎょう)・・・僧の姿。髪をそり、袈裟を着た姿。

文弱(ぶんじゃく)・・・学問や芸事にふけって弱弱しいこと。

 

 

 

 

 

 

 

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