【朗読】雪崩 山本周五郎 読み手アリア
こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「雪崩」(昭和19年)です。(怒らぬ慶之助/新潮文庫)宝永四年十一月に富士山が噴火した。同じ年の十二月、信濃のくに諏訪郡下諏訪の伊那屋という宿に二人の兄妹が草鞋を脱いだ。彼らは父の敵討ちのためにやってきたのだった。
雪崩 主な登場人物
水野善之助・・・二十三歳、越前福井藩士。細面で睫毛の長いどこかしら控え目な目もとと少し薄手の引き締まった口元。
加代・・・十八歳、善之助の妹。ふっくらと丸顔だが目もと口元は兄の善之助によく似ている。
八木真兵衛・・・六尺近い背丈で膚の浅黒い引き締まった秀抜な体躯。頬も眉もまぎれがなく、全体にすっぱり割り切れた感じの風貌。
水野久右衛門・・・善之助、加代の父。酒癖があり、癇強くわがままな一徹人。
雪崩 覚え書き
草鞋を脱いだ・・・旅の途中で宿泊する。旅宿に落ち着く。
士道(しどう)・・・武士の守り行うべき道義。武士道。
性をつける(しょうをつける)・・・性根をしっかりすえる。意識感覚をはっきりさせる。
淳朴(じゅんぼく)・・・かざりけがなく素直なこと。
仲裁は時の氏神(ちゅうさいはときのうじがみ)・・・喧嘩や口論の仲裁は、氏神が現れたような好都合なものだから、その調停にしたがうのがよい。
辛苦(しんく)・・・つらく苦しい思いをすること。
皚々(がいがい)・・・雪や霜で辺り一面が真っ白くみえるさま。
桐油(とうゆ)・・・きりあぶら。アブラギリ類の種子を搾油して得られる油脂。
慇懃(いんぎん)・・・真心がこもっていて礼儀正しいこと。
横車(よこぐるま)・・・横に車を押すように、道理に合わないことを無理に押し通そうとすること。
無法(むほう)・・・道理に外れていること。乱暴なこと。
三寒四温(さんかんしおん)・・・晩秋から初春において、三日間くらい寒い日が続いたのちに四日間くらい暖かい日が続いて、これを繰り返すこと。
桑圃(そうほ)
製絹業(せいけんぎょう)
産米(さんまい)
根幹(こんかん)・・・物事のおおもと。根本。中心となるもの。
旧弊(きゅうへい)・・・古い習慣や制度などの弊害。
多寡(たか)・・・多いことと少ないこと。多いか少ないかの量、額。
怒気(どき)・・・怒った気持ち。
人煙(じんえん)・・・人家から立ち上る煙。転じて人の住む気配。
雪庇(せっぴ)・・・雪のかぶった山の尾根、山頂などにできる雪の塊。