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初蕾 山本周五郎 

初蕾 山本周五郎 読み手 アリア

こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は山本周五郎作「初蕾」(昭和22年)です。この作品は、何度もTVでドラマ化・舞台化される人気作品です。特に赤ん坊と共に、お民がぐんぐん成長していく姿が感動的です。(初蕾/月の松山)新潮文庫

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初蕾 主な登場人物

お民(うめ)・・・小料理茶屋「ふじむら」の女中。十八歳。ふじむら小町と云われている。半之助の子を身籠った。

梶井半之助・・・お民との関係に正当なことを言った森田を斬ってしまい、人間らしい者になってくると江戸へ行ってしまう。

喜右衛門・・・廻船問屋の隠居。お民の面倒をみようとする。

梶井良左衛門・はま女・・・半之助の両親。門前に捨てられた赤ん坊を育てる。うめを乳母として雇う。

小太郎(松太郎)・・・梶井家の前に捨てられた子。半之助・お民の子。

 

初蕾 あらすじ

小料理茶屋の女中お民は、武士・梶井半之助と逢瀬を繰り返し彼の子を身籠っています。その子を産み、彼の実家の門前に捨て、喜右衛門の紹介で自分は乳母「うめ」として家に入ります。半之助の母・はま女から見て、うめは欠点が多く目につくことばかりだった。しかし赤児の世話だけは親身になってする。そこがはま女の気持ちをひきつけ、子どもにさえよくしてくれれば、あとは少しずつ根気で教えていってもよいと考えるようになった。うめも十九になって初めて作法の厳しい武家で、細かい習慣、心構えまで変えるのは大変だった。しかしうめは小太郎のために辛抱した。うめはやがて目が開き人が違ったように変わった。そしてある時、半之助の居所がわかったのであった・・・

かん太
森田と果し合いをした半之助がお民のもとへやってくる場面で雨が降ってるよ。
アリア
初蕾は梅でした。「去年の花の散ったことは忘れたように、どの枝も新しく活き活きと蕾をふくらませます。帰ってくる半之助にとって自分が初蕾であるようにそれだけを考えて」とはま女がお民にやさしく云います。

初蕾 覚え書き

御師(おし)・・・祈祷を専門にする神職や僧。

機縁(きえん)・・・ある物事が起こったり、ある状態になったりするきっかけ。縁。

境涯(きょうがい)・・・この世に生きていく上でおかれている立場、身の上。

致仕(ちし)・・・官職を退くこと。また、退官して隠居すること。

行李(こうり)・・・竹や柳で編んだ箱型の物入れ。

襁褓(むつき)・・・おむつ

讒誣(ざんぶ)・・・事実でないことを言い立てて他人をそしること。

敲く(たたく)

名主(なぬし)・・・江戸時代の村役人の場合なぬし、荘園や公領の中で名田を所有する農民の場合はみょうしゅとよむ。

些末(さまつ)・・・重要でない、ちいさなこと。

規矩(きく)・・・考えや行動の基準とするもの。

慄然(りつぜん)・・・恐れおののくさま。恐ろしさにぞっとするさま。

厭悪(えんお)・・・嫌い憎むこと。ひどくいやに思うこと。

 

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