【朗読】豪傑ばやり 山本周五郎 読み手アリア
【朗読】豪傑ばやり 山本周五郎 あらすじ
こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。豪傑ばやりは、昭和15年(1940年)講談倶楽部に掲載されました。37歳の作品です。戦の時代が去り、豪傑たちが武勲を売りに職を求める元和の世。大言壮語する浪人たちの中で、静かに馬を洗う男・馬頭鹿毛之介。彼は名も禄も望まず、ただ一頭の馬と、一人の娘の微笑みに心を寄せます。だが、偽りの豪傑・夏目図書の登場によって家中は浮かれ騒ぎ、鹿毛之介の誠実な影はどんどん霞んでゆきます。そして豪傑・夏目調所の娘・萩枝への無礼をきっかけに、男の本当の強さが試されていきます。
豪傑ばやり 主な登場人物
馬頭 鹿毛之介(ばとう かげのすけ)
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本名:夏目 図書 重信(なつめ ずしょ しげのぶ)
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大坂の役で名を馳せた浪人隊の真の豪傑。実は変名を使い、名を伏せて三春に潜伏していた。
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馬の世話をしながら静かに暮らしていたが、誠実で実直な人物。剣技にも優れ、真の意味で「強い」男。
萩枝(はぎえ)
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苅屋源太兵衛の娘。18歳。
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健康で甲斐甲斐しい美しい娘。鹿毛之介に恋心を抱く。
大海 鱒八(おおうみ ますはち)
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鹿毛之介の同僚。人懐こく、鹿毛之介を心から尊敬している。
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夏目図書が来て屋敷の空気が変わる中でも、ただ一人鹿毛之介の「本物」を見抜いていた。
苅屋 源太兵衛(かりや げんたべえ)
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萩枝の父。三春藩の侍大将。
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名将であるが、権威や豪傑に弱い一面がある。鹿毛之介の正体を知って驚く。
秋田 河内守 俊季(あきた こうちのかみ としすえ)
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三春藩藩主。夏目図書を召抱えたかったが、彼の辞退を尊重する。
荏柄 宮内(えがら くない)/鼻の九十郎(はなのくじゅうろう)/富田 七兵衛(とみた しちべえ)
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鱒八と同じ頼士長屋の面々。自称・元豪傑。夏目図書の影響で豪傑気取りになる。
偽 夏目図書
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千五百石で召抱えられた、実は偽物の「夏目図書」。
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酒と女に溺れ、武芸も偽物。
早瀬 伝右衛門(はやせ でんえもん)
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水野勝成の家臣。真の夏目図書(鹿毛之介)を知っており、最後に彼の正体を明かす。
アリアの備忘録
名声よりも誠実さ。虚勢よりも静かな胆力。そして、強さとは力ではなく、「己を偽らず、生きること」なのだ。