【朗読】蜜柑 山本周五郎 読み手アリア
こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回の「蜜柑」は、昭和16年キングに掲載されました。38歳の作品です。「忠義とは何か」主君のために生きると決めた男が、叱責と誤解の中で辿り着いた「真の御奉公」。厳しくも深い師の愛。揺るぎない信念。そして己を超える成長の物語。これは武士として、人として何を守るべきかを問う物語です。読後、あなたの胸にも熱いものが込み上げる!
蜜柑 山本周五郎 あらすじ
大高源四郎は、長年憎まれていると感じていた老家老・安藤帯刀から突然の呼び出しを受ける。死の床にある安藤帯刀直次は、源四郎を激しく叱咤し、「真の御奉公を知らぬ」と言い放つ。一度は退身しようとまで思い詰めた源四郎が、主君・頼宣の信頼を得て、直次の厳しさの真意を知るという成長物語です。あなたも一人前を目指せ!と励まされた気がしました!
蜜柑 主な登場人物
大高 源四郎・・・紀州徳川家に仕える中小姓で、主君・頼宣への忠誠心が強く、一徹な性格のために上役や同輩たちと衝突しがち。特に家老・安藤帯刀からは厳しく叱責され、嫌われていると感じていた。安藤帯刀直次の死後、頼宣の信頼を得るが、新参家臣との軋轢や誤解から挫折を味わう。やがて直次の真意を悟り、頼宣の大局的な考えを悟ることで真の御奉公に目覚める。
安藤帯刀直次・・・紀州徳川家の重臣で、家老を務めた名将。若くして家康に見込まれ、頼宣の家臣となり、紀伊五十五万石の礎を築いた。厳格な人物で、特に源四郎に対しては辛辣に接していたが、それは源四郎の成長を願うが故だった。死の間際に源四郎を呼び、「真の御奉公を知らぬ」と叱咤する。
徳川 頼宣・・・紀州徳川家の藩主で、家康の第十子。武士を重んじ、名のある浪人を次々と召し抱えたため、幕府から疑いをかけられる。源四郎の忠誠心を理解しつつも、彼の視野の狭さを指摘し、成長を促す。源四郎に江戸への使者という大役を任せ、彼を信頼していることを示す。
藪 三左衛門・・・かつて細川家に支えていた名将。頼宣に二千石で召し抱えられた。息子の傲慢な態度を詫び、源四郎との対立を穏やかに収めようとする。
藪 七郎左衛門・・・三左衛門の息子。新規召し抱えの家臣で、傲慢な性格。頼宣に対し、嵐の中での無謀な渡海を進言する。源四郎と対立し、彼から「新参者の分をわきまえよ」と厳しく糾弾される。
三浦 長門守・・・家老。頼宣の無謀な渡海計画を諌めようとする。