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日本婦道記 箭竹 山本周五郎

【朗読】日本婦道記 箭竹 山本周五郎 読み手アリア

こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「日本婦道記」より箭竹です。この作品は、昭和17年婦人倶楽部に掲載されました。将軍家光に世子が生まれた祝儀として、水野けんもつ忠善は久能山東照宮に石の鳥居を奉納することとなり、茅野百記はその事務頭として久能山に出張していた。百記はその出張先で私の争いで刃傷に及び、勤役中の不始末を申し訳なく思って切腹した。知らせを聞いた百記の妻みよは、召使たちにその旨を伝えて家内の始末をし、領内追放となって二歳の息子、安之助を連れて土地を去った。みよはその時から二十年、良人の遺志を継いで、微塵もゆるがぬ一心を貫きとおして良人の仕残した奉公をつぐない、安之助を育てるのだった。

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日本婦道記 箭竹 主な登場人物

みよ・・・水野けんもつ忠善の家臣、茅野百記の妻。水野家の移封について行きながら安之助を育てる。

茅野百記・・・書院番、出張先で刃傷に及び切腹する。

安之助・・・百記とみよの子

六兵衛・・・茅野家の下僕。領内追放となったみよの世話をする。農家が自分のために作る丈夫な草鞋の作り方をみよに教える。

熊造・・・髭だらけで目が鋭い男。昔は海道を馬を曳いて往来した暴れ者だったが、今は伝馬問屋の主人でみよの長屋の主人。困っている人には身を剥いでも面倒をみている。

水野けんもつ忠善・・・岡崎藩主。

徳川家綱・・・十九歳、家光の闊達な気性をうけてうまれ、父に似てなかなか峻厳なところがおおかった。みよのつくった大願の文字のある弓に気付き、どこの誰が作ったものか調べさせる。

 日本婦道記 箭竹 覚え書き

筈巻(はずまき)・・・弓の矢筈の下の糸を巻いて固めたところ。

大願(たいがん)・・・大きなことを成し遂げようという願い。

闊達(かったつ)・・・広く物事にこだわらない様子。

峻厳(しゅんげん)・・・非常にきびしいこと。

不興(ふきょう)・・・機嫌がわるいこと。

精選(せいせん)・・・多くの中から良い物をよりすぐること。

粗忽(そこつ)・・・軽はずみなこと。

生害(しょうがい)・・・自害。

主従は三世(しゅじゅうはさんぜ)・・・現在、過去、未来にもわたる深い因縁があるものだということ。

安閑(あんかん)・・・のんびりとして静かなさま。

野風呂(のぶろ)・・・露天風呂。

難儀(なんぎ)・・・苦しみ悩むこと。

畷道(なわてみち)・・・田の間の道、まっすぐに長い道。

壮烈(そうれつ)・・・勇ましくて立派なこと。

 

 

 

 

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