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秋風不帰(しゅうふうふき)山本周五郎

【朗読】秋風不帰 山本周五郎 読み手アリア

こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「秋風不帰」です。(講談雑誌)主人公 狩谷夏雄は、二十二歳の春から兵法修行の旅に出ていた。それから五年、できるだけ山間僻地を廻って隠れた剣人を尋ね、剣法を職業としない人のみが持っている純粋なものだけを学んできた。彼は幼い頃から武芸が好きで既に十歳の頃から藩の進武館に入り、十九歳で筆頭の札を掲げるほど才分に恵まれていた。今彼は、五年の修行を終えて信濃国西条の城下町に帰ってきたところだった。帰郷の感動でいっぱいな胸は父を思い、兄を思い、友の誰彼を思い胸を熱くしながらもう家の見える角まで歩いて来た時、突然後ろから「狩谷氏」ではないかと声をかけられ、不用意に振り返った面上へ意外にいきなりぱっと抜き打ちを掛けられた。

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秋風不帰 主な登場人物

狩谷夏雄・・・二十七歳。五年の兵法修行から帰郷するといきなり抜き打ちに合い、さらに身ごしらえをした武士十二三人が討手としてくる。

お高・・・十七歳。馬子の姿をする娘。元狩谷家の下郎嘉右衛門の娘、帰郷していきなり抜き打ちにあった夏雄を助ける。

狩谷与右衛門・・・夏雄の父。西条家の槍奉行三百二十石。

狩谷伊兵衛・・・夏雄の兄。実直一方の男で早くからお側に上がり、二十歳から御書院番として役料五十石を貰っていた。

嘉右衛門・・・狩谷家の下郎。夏雄が幼い時、外出時によくついてきた。

若林善之助・・・夏雄の幼い頃からの友人、納戸役。

町子・・・夏雄の許嫁者。

七沢吉郎兵衛・・・夏雄の友人。

小野儀兵衛・・・筆頭国家老。

小野欣弥・・・小野儀兵衛の二男。

秋風不帰 覚え書き

慢心(まんしん)・・・おごり高ぶっていること。

挟殺(きょうさつ)・・・挟み撃ちにすること。

鼻梁(びりょう)・・・眉間から鼻先まで。

助勢(じょせい)・・・力を添えて援助すること。

放れ馬(はなれうま)・・・綱から離れて走り回る馬。

繭干し場(まゆほしば)

動顛(どうてん)・・・非常に驚いて平静を失うこと。

放し討ち(はなしうち)・・・戦って討ち取るということ。

処断(しょだん)・・・裁いてはっきり結論をだすこと。

一節切(ひとよぎり)・・・節が一つだけある尺八の前身の笛。竹製

瞑目(めいもく)・・・目を閉じること。

夜講(やこう)・・・夜になって行われる講義。

実否(じっぴ)・・・事実か事実でないか。

莫逆(ばくぎゃく)・・・非常に親しい仲。

鉢の木・・・謡曲、零落の身の佐野源左衛門常世は、大雪の夜に旅僧に身をついやした北条時頼を泊めて、

秘蔵の鉢の木を焚いてもてなし、いざ鎌倉のときの決意を語る。後日それが報いられて旧領の回復と鉢の木にちなむ三領地を与えられた。

 

 

 

 

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