【朗読】城を守る者 山本周五郎 読み手アリア
こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「城を守る者」です。(昭和17年/講談雑誌)上杉家の四家老、千坂対馬清胤は「川中島合戦」第一回目に輜重の宰領に当たり、それ以後は留守城番を勤めていた。この時代は戦場の功名手柄が人間の価値を決めていたので、千坂の役は軽くみられ、「兜首の二つや三つより千坂どのは留守役で二千石稼ぐ」という評判さえたっていた。
城を守る者 主な登場人物
千坂対馬清胤・・・上杉家の四家老の一人。川中島合戦四たび目の合戦に当面し、誰もがわれもわれもと出陣の共を主張して皆が嫌う留守城番を引き受ける。
千坂通胤・・・二十三歳、生来の病身で色白の小柄な体つきはいかにもひ弱そうだが、眉宇と唇もとには不屈の性格が表れている。父が留守城番を引き受けたことが我慢ならず出陣を願う。
石川備後為元・・・上杉家家老。菊枝の父親。
菊枝・・・通胤の許嫁者。石川備後の娘。色白のふっくらとした体つきで、いつも目元に温かい微笑みをたたえている。
城を守る者 覚え書き
帷幄(いあく)・・・作戦を立てるところ。
侃々(かんかん)・・・性格が強く、心正しいさま。
仇敵(きゅうてき)・・・憎い相手。
弁口(べんこう)・・・口先のうまいこと。
輜重(しちょう)・・・軍隊の糧食、被服や武器など輸送すべき軍需品のこと。
糧秣(りょうまつ)・・・兵士の食料と軍馬の馬草。
糧道(りょうどう)・・・食料を運ぶ道筋、手に入れる方法。
専横(せんおう)・・・好き勝手なふるまい。
面詰(めんきつ)・・・面と向かって咎めたりなじったりすること。
謀者(ちょうじゃ)・・・スパイ
死間(しかん)・・・わざと斬られる間者。
罵詈讒謗(ばりざんぼう)・・・悪口の限りを云い、手ひどくののしること。
弓矢神(ゆみやがみ)・・・弓矢のことをつかさどる神。軍神。