【朗読】樅ノ木は残った 1の17 霜柱 山本周五郎 読み手アリア
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樅ノ木は残った 1の17 霜柱 あらすじ
霜の朝、おみやは寺通いを装い、密かに浄妙院の住持のもとへ通っていた。家では純粋な少年・新八がその事実に気づき、裏切りに傷つき、怒りと絶望に沈む。だが、おみやは彼にすがり、心は娘のままだと泣きながら訴える。二人が重なったその夜、兄・柿崎六郎兵衛が突然帰宅。冷酷におみやを屋敷奉公へ追いやり、新八には畑姉弟を救えと命じる。新八のもとには浪人一家が住まい、日々は静かに流れるが、心は空虚のまま。やがて新八は柿崎の道場へ連れられ、そこで見たのは、金と欲にまみれた裏の顔だった。
――情も信も打ち砕かれ、新八はただ、出口の見えぬ闇をさまよっていた。
樅ノ木は残った 1の17 霜柱 登場人物
名前 | 立場・関係 | 特徴・補足 |
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おみや | 柿崎六郎兵衛の妹/新八の想い人 | 表向きは後家のように装いながら、実は浄妙院の住持の妾。体を売って兄や新八を支える。表裏のある生き方に葛藤しつつも、愛情は真実。 |
新八 | 若く繊細な浪人の少年 | 純粋で真面目。おみやに恋しつつも、裏の姿を知って苦悩と絶望に陥る。正義感が強いが、現実の重さに翻弄される。 |
柿崎六郎兵衛 | おみやの兄/柿崎道場主 | 粗暴で冷徹な現実主義者。妹を浄妙院に斡旋し、自らは道場を営む。富や名声ある者を憎み、「闘い」こそが人生と信じる。 |
お久米 | おみやと新八の隣人 | 噂好きで情に厚い女。新八に好意を持ちつつ、おみやを少し妬んでいる。下町的な気質で、人の機微に敏感。 |
野中又五郎 | 浪人/新八の同居人に | 病弱な妻と娘を抱え、慎ましく誠実に生きる武士。言葉少なく、礼儀正しいが、芯の強さを感じさせる人物。 |
さわ(妻)・お市(娘) | 又五郎の妻子 | 病弱な母をいたわるお市は、静かで健気な少女。家族で支え合いながら、目立たぬが堅実な日々を送る。 |
🏯 その他の人物
名前 | 立場・関係 | 補足 |
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浄妙院の住持 | おみやの通う寺の和尚 | 表向きは高僧だが、裏ではおみやを囲っている。飽くことを知らない享楽的な男。 |
寺の茶屋の女(お吉) | 茶店の女主人 | おみやの世話人兼情報源。おみやの裏稼業を知りつつ世話を焼く、したたかな中年女。 |