【朗読】虚空遍歴 独白7 山本周五郎 読み手アリア
こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、おけいの独白7回目です。この独白で話の全体がよく理解できます!おけいから見て、冲也にとって浄瑠璃が彼の命そのものであること、高熱の中でも浄瑠璃を口ずさむ姿は、彼の情熱と執念がどれほど深いかを感じさせてくれました。どうぞ最後までご視聴ください。
虚空遍歴 独白7 主な登場人物
おけい・・・旅の途中で色々な人と出会い、陰から冲也を守っている。
冲也・・・高熱で意識不明となり、医者の治兵衛に看病されている。
吉原藤次郎・・・冲也を付け狙う侍。二人の侍と共に天龍川の渡し場で襲撃を計画している。
疋田京之助・・・吉原藤次郎と共に冲也を狙う侍。
徳平・・・おけいが大阪まで共をしてもらうために雇った親切な老人。何かと助言や手助けをしてくれる。
大谷小十郎・・・番所の役人。おけいの相談に乗り、協力を惜しまずに手配をしてくれる。
与六・・・冲也が倒れた時に最初に運ばれた貧しい家の主人。
治兵衛・・・三代つづく医者。皮肉屋であり、自分のことをヘボ医者だと言う。
久吉姐さん・・・江戸から手紙を送ってき、都座の芝居の大当たりなど江戸の消息を伝えてきた。
小菊・・・おけいの昔の友人。陽気で踊りが上手だったが、客と心中してしまった。
虚空遍歴 独白7 あらすじ
あの方が治兵衛という医者の家に引き取られてから7日が過ぎ、雨は止むことなく降り続いている。わたしは旅の途中で密かにあの方を狙う吉原藤次郎と二人の侍が天竜川の渡し場で襲撃を計画しているのを知り、徳平の助言で番所の大谷小十郎の協力を得ることができた。しかしあの方は渡し場で倒れてしまい、与六さんの家で治療を受けることになったのでした。未来の不安は消えませんが、高熱にうなされながらも浄瑠璃を口ずさむあの方の姿に、彼の命そのものが浄瑠璃であることを示していました。
虚空遍歴 独白7 アリアの感想と備忘録
自分のことは置いて、冲也中心に生きるおけいの姿に色々な愛の形があるのだなと思いました。冲也もそろそろ気付きかけていますが、おけいの存在がいつも彼の大きな支えになっていて、今回も、医療の限界を感じながらその中で最善を尽くす姿に感動を覚えました。雨にけぶる景色の中で、あの方と自分の行く末に想いを馳せる場面には、旅の厳しさと共に、人間の強さも感じることができました。