【朗読】虚空遍歴1の4 山本周五郎 読み手アリア
こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は朗読連載第5回です。
虚空遍歴1の4 あらすじ
突然聞こえた自分を呼ぶ大声に伊佐太夫は驚きの表情を浮かべ、盃を口元へ運ぶ手が震え酒が袴の膝を濡らした。すぐに冲也は立ちあがろうとしたが、お京が静かに立っていった。静山老人はその声の意味を理解せず、芸妓たちに何かを命じ、幇間の一人に紙と筆を持たせて詩を書く。静山老人が書き終えた詩を受け取った冲也はその詩に思いを巡らせるがふしをつけることができず降参を告げる。冲也は、ふしをつけることができなかった自分に苛立ち、悔しさと無力感を感じる。元の座敷へ戻ると、半四郎が一人で酒を飲んでいた。冲也はお京に過去の思い出を語りつつ、今日の出来事に一本取られたと告白する。お京は彼の心に寄り添うように酒を注いだ。
虚空遍歴1の4 主な登場人物
静山老人(せいざん)・・・平戸候と呼ばれる老人。冲也に自分の書いた詩にふしをつけるように求める。冲也の降参を受け入れ、和やかに振る舞う。冲也の芸を評価し、気さくな面を見せる。
久六・・・幇間の一人。
お政とおしん・・・芸妓たち。
生田半二郎・・・騒ぎの発端となった人物。後で酔っ払って潰れてしまう。
八百蔵・・・迎えがあって先に帰ってしまう。
虚空遍歴1の4 アリアの感想と備忘録
静山老人から受け取った詩に曲をつけることができず、自分の限界を感じるところに彼の成長の一端を感じました。自分の未熟さを認める姿勢は誠実さと謙虚さ、そして内面の強さを表しているのですね!冲也が祖父との剣術を思い出し、当時の自分と今の自分を重ね合わせる場面は、過去の経験が現在にどう影響を与えるかということを考えました。彼の心にはそんなにも祖父の教えや思い出が根付いているのですね。この経験は冲也にとって試練でもあり、成長の糧となるでしょう。静山老人も若者の才能を引き出そうとする愛情と理解あっての物なのですね、自分の限界を受け入れること、謙虚さを持つことの大切さはいつの時代も変わらないのですね。