【朗読】虚空遍歴2の4 山本周五郎 読み手アリア
こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、冲也とお京の関係が密になること、そして繁太夫との会話によって芸の世界について色々と語られます。
虚空遍歴2の4 主な登場人物
冲也・・・新しい浄瑠璃の節付けに挑戦する。常磐津の名前を借りずに独自の道を進むことを考えるが、大師匠への恩義を感じている。
由太夫・・・常磐津を教えている。階下で飲んでいる。繁太夫と一緒に冲也を訪ねてきた。
繁太夫・・・冲也の兄弟子。芸の世界の義理人情や、自分の信念を貫くこと、新しい浄瑠璃の節付けに意見する。
由太夫と一緒に来た二人の若者・・・22、3歳くらいの若旦那風。冲也を支援するという。
虚空遍歴2の4 あらすじ
お京が静かに部屋を出て行った後、冲也は甘やかにむれる夜具の中でまどろみます。彼の心には、上演が決まった芝居のことが浮かび、事が順調に運びすぎたことで生じた不安が、まるで夢のように感じられます。その後、階下で飲んでいた由太夫や繁太夫と話しますが、繁太夫は彼に対して、義理や人情といった世間のしがらみを超えて真の芸を追求すべきだと熱く語ります。その言葉に冲也は、大師匠に恩義を感じながらも自らの芸を磨く大切さを再認識するのでした。
虚空遍歴 アリアの感想と備忘録
何かを成し遂げようとする芸人の心の揺れ動きが微細に描かれていて共感することができました。特にまどろみの場面は、芸の道における重圧と共に、彼の内面の深い部分を覗くようで、冲也の人間らしさを垣間見ました。繁太夫の言葉は一見厳しいけれども、冲也への深い理解と敬意が感じられました。冲也の新しい浄瑠璃の節付けを試みる中で、自分自身の信念を見つける様子は、読んでいる人に大きな励ましになるのではないでしょうか。お京の存在も冲也の直面する困難を和らげるでしょう。