【朗読】五瓣の椿 連載第2回 山本周五郎 読み手アリア
こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は五瓣の椿、連載第二回です。喜兵衛は長く患い、命が危うい状態にありながらも店の仕事を続けようとします。彼は病気に対する頑なな態度を崩さず、寮での療養を勧める娘の提案を断固として拒みます。その一方で、心配する娘おしのは、何とかして父を安心して休ませようと母おそのに助けを求めます。しかしおそのは全く無関心で自分の身なりや楽しみを優先させる態度を見せるのでした。おしのはその母の無関心さに苦悩しつつも・・・
五瓣の椿 連載第2回 主な登場人物
喜兵衛・・・おしのの父で「むさし屋」の主人。長い間労咳を患っている。療養の提案を拒否して商売を続けようという強い意志を持つ。
おしの・・・喜兵衛の娘。父の病状を心配し、医者の指示に従って療養を勧めるが、父の頑固さと母の無関心さに苦しめられる。
おその・・・喜兵衛の妻でおしのの母。美しい自分の容姿と外見、趣味にしか興味を持たない。まず自分。
横山参得・・・喜兵衛のかかりつけ医。彼の病状を重く見て、仕事から離れて療養することを強く勧める。薬ではなく、環境の改善と休養が必要だと診断している。
おたみ・・・むさし屋の若い女中。
おまさ・・・亀戸のむさし屋の寮にいる使用人で、おそのに仕えている。
徳次郎・・・むさし屋の手代。若いが喜兵衛が信用している。
五瓣の椿 連載第2回 備忘録
病性(びょうせい)・・・病気の勢い。病気の進む具合。
勇を振るう(ゆうをふるう)・・・勇気を出し尽くす。
拾い足(ひろいあし)・・・道の比較的良いところを選んで歩くこと。またはその足取り。
痘瘡(とうそう)・・・天然痘
盾にとる・・・防御物としてその陰に隠れる。
今回は、労咳に倒れた父、喜兵衛と、それを支える娘おしのの関係が、家族の愛情と葛藤として描かれていました。頑なに店を守ろうとしする喜兵衛と、何とかして父を助けたいと願うおしのの日ぅしな姿が痛々しく心を打ちました。
特に印象的だったのは、母おそのの無関心さです。美しくて魅力的なおしのは、家族の危機には距離を置き、自分の生活を優先する様子におしのの孤独感が一層際立ちます。それでも母に助けを求めるおしのの姿には、家族を一つにしようとする健気な思いが溢れていました。次回は、果たしておそのは戻ってくるのか?喜兵衛の病はこのまま悪化してしまうのか?そしておしのの苦悩はまだ続くのでしょうか・・・