【朗読】備前名弓伝 山本周五郎 読み手アリア
こんにちは!癒しの朗読屋アリアです。今回は、山本周五郎作「備前名弓伝」です。この作品は昭和21年講談雑誌に掲載されました。備前の国、岡山の藩士青地三之丞は弓の名手だったが、ひどく無口で世間話などにはいつも横を向いていた。
備前名弓伝 主な登場人物
青地三之丞・・・三百石、十九歳で家督相続し、お弓組にあげられた。幼少の頃からおっとりした性質で起こったという顔を見せたことも喧嘩口論をした例がない。
青地三左衛門・・・三之丞の伯父。「雷三左どの」とあだ名がある性急で早合点で少しもゆったりしたところのない始終せかせかとかけ廻って怒鳴り散らす。
なつ・・・三左衛門の娘。三之丞と四つ違い。さして美人ではないが思い遣りの深い利口な娘。
滝川幸之進・・・二百石、馬廻り。一刀流の名人。ひねくれた性質。
山川重郎左衛門・・・弓の師範。三之丞の才能を見抜いている。
池田光政・・・備前岡山三十五万石の領主、文武の道に精しい古今の名君。
浅野光晟(みつあきら)・・・安芸の国広島藩主。光政と同じ年くらいでよく話の合う間柄。参勤の上り下りには必ず二三日滞在する。
備前名弓伝 覚え書き
されば・・・そんなわけで。そうであるから。
性急(せいきゅう)・・・気が短くせっかちなこと。
早合点(はやがてん)・・・よく聞いたり確めないうちにわかったつもりになること。
天成(てんせい)・・・生まれつき。
無双(むそう)・・・並ぶものがないほど優れていること。
慣例(かんれい)・・・習慣のようになっていること。
諫言(かんげん)・・・目上の人の過失などを指摘して忠告すること。
稀代(きたい)・・・世にもまれな、めったに見られないこと。
兇猛(きょうもう)・・・荒々しくたけだけしいこと。
犇々(ほんぽん)・・・すきまなくぴったりした様子。
とうとう・・・太鼓の鳴り響くさま。
悄然(しょうぜん)・・・元気がなくうちしおれていること。
昵懇(じっこん)・・・親しく打ち解けて付き合うこと。
万福(ばんぷく)・・・多くの幸福。
浮沈(ふちん)・・・栄えることと沈むこと。
理合(りあい)・・・理由、道理。
暴慢(ぼうまん)・・・あらあらしく自分勝手なこと。